スパイダーマッこと東映版スパイダーマンは、1978年5月から1979年3月にかけて放送された東映制作の特撮作品。
ニコニコ動画においては、主に自然カテゴリに生息し大自然の平和を護るため害虫を駆除する屈指の英雄である。
己の概要を執筆する男
言わずと知れたアメリカンヒーロー、スパイダーマンを題材にした日本の特撮ドラマ。当時の東映が米マーベル・コミック社との間に「数年間互いのキャラクターを自由に使用可能」という契約を結んだことで制作された。
制作にあたっては東映特撮ならではの要素が多く追加され、設定や物語は原作を踏襲せず、東映オリジナルのものとなった。中でも「スパイダーマンが巨大ロボット・レオパルドンを操る」という要素は、当時の視聴者に大きなインパクトを与えた。
物語のクライマックスで敵の前に立ちはだかり、大見得を切りながら決めの文句を述べる「名乗り口上」も、日本で制作された本作ならではの特徴である。
一方、アクション面では、CGもワイヤーも無かった時代に蜘蛛男らしさを上手く表現したことが、日米問わず高い評価を受け、スパイダーマンの原作者であるスタン・リーも絶賛している。
なお、リーが本作に対して
とコメントしたことが知られており、東映ビデオのDVD-BOX特集サイトでもそのように記載されているが、一方では、「とてもかっこいいロボットだった」と述べるなどレオパルドンを称賛するコメントを多数残しているため、この発言は一種のジョークだったと考えられる。
スーパー戦隊の歴史に大いに貢献した男
各媒体でスーパー戦隊シリーズの歴史が語られる際、本作について言及されることがしばしばある。
本作が放送された1978年は、戦隊シリーズ2作目『ジャッカー電撃隊』と3作目『バトルフィーバーJ』の間に当たり(ただし、当時はスーパー戦隊シリーズという概念はまだなかった)、制作には吉川進(プロデューサー)、上原正三(脚本)、渡辺宙明(音楽)といった、1作目『秘密戦隊ゴレンジャー』から続くスタッフが多く参加している。
キャスト面でも、「鉄十字団」のボスであるモンスター教授は、ゴレンジャーの敵「黒十字軍」のボス・黒十字総統(初代)と同じく安藤三男が演じているほか、第31話と第39話には『ゴレンジャー』で新命明 / アオレンジャーを、『ジャッカー』で番場壮吉 / ビッグワンを演じた宮内洋がゲスト出演した(ただし、劇中での風貌は『快傑ズバット』の早川健 / ズバットに近い)。
本作の翌年、再びマーベル・コミックとの提携で制作された『バトルフィーバー』では、本作から「巨大ロボットを操る等身大ヒーロー」という要素が、また一方では『ゴレンジャー』と『ジャッカー』から「集団ヒーロー」という要素がそれぞれ継承され、「巨大ロボットの操縦もする集団ヒーロー」というスタイルが確立した。
他にも、マーベル作風の影響が強かったこともあり、「タイトルに“戦隊”という語はおろか漢字すら使われていない」、「戦士が明確に色で区別されていない」、「マスクにあるのはゴーグルではなく目である」など、シリーズを重ねた現在から見れば、ビジュアル面でやや異彩を放つ作風となっている(ちなみに、当初はキャプテン・アメリカに率いられる戦隊にする予定だったが、さすがに没になった)。
マーベルとの提携は、翌年の『電子戦隊デンジマン』以降も数年間続いたが、ここからは「タイトルに“戦隊”という語が入る」、「5人が明確に色で区別される」など『ゴレンジャー』の影響が強くなっていった。
一方、レオパルドンから続く巨大ロボットは『デンジマン』以降もそのまま継承され、シリーズを重ねるにつれて、複数メカによる合体、2号・3号ロボの登場など、多くの新要素が加わりながらも、今日に至るまでシリーズを代表する要素として登場し続けている。つまり、レオパルドンは戦隊ロボの先駆けとも言える存在なのである。
以上のように、本作は戦隊シリーズに含まれるわけではないが、巨大ロボを初めとする要素が大いに影響を与えたのは紛れもない事実であり、その長い歴史を語る上では欠かせない存在となっている。
ゴーカイジャーへの出演叶わず咽び泣く男
また当時アメリカのマーベル社のテレビ部門のトップを務めていたマーガレット・ローシュ氏は、スタン・リーにこの東映版スパイダーマンやスーパー戦隊シリーズを見せられたことでこの作品を大変気に入り、本作や『太陽戦隊サンバルカン』をアメリカに逆輸入しようとしたほどであったが、実現しなかった。
その後、同氏が後にFoxTVの子供向け枠の初代社長に就任すると、当時スーパー戦隊シリーズの国際放送権を得ていたものの他のテレビ局に相手にされず頓挫していたサバン・エンターテイメントの企画に目をつけ、結果『パワーレンジャー』を全米に放送し成功したとされる。この点からも、本作が後の時代に与えた影響は国内のみならず、国外においても評価を得て、多大な影響を及ぼしていると言えるだろう。
複雑な権利事情に涙を流す男
本作の登場キャラクターのうち、スパイダーマン以外のキャラクターは東映が独自に考えたものであり、原作コミックには登場しない。また、ストーリーも原作とは直接的な関係の無い、東映オリジナルのものである。よって、作品自体の権利は現在でも東映が有しているものと思われる。
これは本作の原作者として、八手三郎(東映オリジナル作品の証)の名がクレジットされていることからも伺える。
しかし、主役であるスパイダーマンに関しては、当然マーベル・コミックが権利を有しているため、使用契約が切れた現在となっては、東映はキャラクターとしてのスパイダーマンを自由に扱うことができなくなっている(そのため、画像付で本作が紹介される場合は、レオパルドンの画像が使用されることが多い)。
東映が本作を封印扱いにしているのは、スパイダーマンという1キャラクターの権利関係のみに起因する仕方のない事であり、極端な話、スパイダーマンの登場場面を全てカットすれば、マーベルの承諾なしで再び本作を世に出すことも可能かもしれないが、それだと当然作品としては成り立たなくなってしまう。
したがって、「あまりの出来の酷さに黒歴史扱い」、「レオパルドンの存在がマーベルを怒らせたため封印された」というのは全くのデマである。むしろマーベルのや原作者スタン・リーはCG技術が未発達だった当時に高い特撮技術を駆使して、イメージ通りのアクションシーンを実写で再現したことを賞賛しており、特にスタン・リーに至っては後述のDVD化に関するインタビューで「世界各国でスパイダーマンが製作されているが、その中でも日本版だけは別格だ。レオパルドンは別として…。」と評しており、レオパルドンについて別のインタビューでは「とてもカッコいいロボットだった。ロボットに変形していくのが好きだね。剣を投げて敵を倒すのもいい。」ともしている。
2005年に再び使用契約を結んだのか、東映ビデオから遂にDVD-BOXが発売された。翌年にはバンダイからスパイダーマンのミニフィギュアが付属した超合金レオパルドンなどの関連商品もリリースされた。しかし、DVD-BOXに関しては「最初で最後」と公言されており、以降は単巻ソフトやBlu-rayといった類は一切リリースされていない。
このように本作は紛れもない東映特撮作品の一つでありながら、スパイダーマンの権利ゆえに東映側も自由に扱うことができない、非常にデリケートな存在になってしまっている。
故に、ニコニコ動画での登場はそれなりの危険を伴うものであった。
ニコニコ動画での歴史をかく語りき男
名称の誕生
2007年3月31日に『東映版スパイダーマン 全名乗り口上』がアップされ、約一ヵ月後の4月末、本家の映画『スパイダーマン3』の公開直前に突如ブレイクする。その際、本家スパイダーマンと区別するため、「スパイダーマッ」や「スパイダーマ」、あるいは縮めて「ダーマ」と呼ばれるようになった。
歴史(削除)の始まり
その後、版権問題の関連で削除されては復活することが繰り返される。MAD動画も同様であり、画像が版権に引っ掛かるために手書きぐらいしか残らなかった。しかも、その動画も消えていく。
2007年末から2008年1月にかけて、いくつかの動画が復活。
特に、著名な前口上の一つが『ニコ動初の試み』を行なって維持されるにいたり、現在は削除がゆるくなっている模様(他の理由もある可能性のほうが大きい)。
支援うpの一つに過ぎなかった上の動画は一週間近く放置され、「まだ消えないのか」「運営は早く消せ」などと言われ、削除された時は多くの人から「おめでとう」と言われる異例の動画となった。
現在は転送を利用した『地獄のロングツアー(仮称)』が行なわれている。
一応のスタート地点↓
長きに渡り生き延びた『名乗り口上動画』が2008年5月15日、堂々の最終回を迎えた。
だが、見事なまでの釣りに『新番組…許せる!』を連呼され、一気にお祭騒ぎへと変貌した愛される男。
蘇った、しかし再び地獄に帰った男
ついに削除となった男……墓参りに訪れる者がついにカンストとなり、高画質版として一度は蘇った、が・・・。
2008年7月18日午後7時20分ごろ、権利者削除となった。
しかし、今回はそれだけでなく
も同時間帯に削除されている、他タイトル偽装された物も含めて削除されているので、今回は内容を確認して削除した模様である。
当然ランキングも・・・。
…だが、コレが最後のスパイダーマだと思ったが、ついに100000再生に成功した男がこちら
その後
2009年10月中旬、マイムマイムのブームに乗じて作られた動画「ダーマダーマ」がランキングに乗り、すぐに消されると予想されたがいつまで経ってもその傾向が見られないため、この機に乗じて過去の英雄(MAD)たちやモザイク動画の無修正版なども続々とあげられ第三次ブームが起こり始めた。
そのまま許され続けるかと思われていたが、2010年3月24日正午ごろに第4期動画がついに権利者によって削除された。いつかの第5期開始に現在から期待が高まっている。
と、思ったら2010年6月12日に待望の第5期が追加シーンを引っ提げて放映開始だと・・・許せる!!
2010年12月05日に追加シーンを更に追加された第6期が放送開始された。
だが、2010年12月28日15:00頃、10万再生と年越しを目前に地獄へ帰った男!
アニメ一本分の長さになった男
久々の20万再生に咽び泣くも2012年3月28日12時頃権利者削除
近年の扱いに希望の光を見た男
- 2009年から2013年ごろまで、米マーベル・コミックの公式サイト「Marvel.com
」において本作が全話無料配信された。
- 2014年、マーベルと東映が新たに手を組んだ『ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』27話にて、スパイディ大好きマンことデッドプールがまさかの「地獄からの使者」という名乗り口上(ポーズあり)を使用。ニコニコ動画でも公式配信され、ついに絶対に権利者削除されない唯一のダーマネタ動画が誕生した。
- 2015年、様々な時代、媒体、別アース(平行世界)のスパイダーマンたちが登場する『スパイダーバース(Spider-Verse)』という原作コミックのイベントで、Amazing Spider-Man #12にて東映版スパイダーマンがレオパルドンに乗って登場。決めポーズと「地獄からの使者(Emissary Of Hell)」という名乗り口上を披露した。
- 2018年には『スパイダーバース』の続編となるイベント『スパイダーゲドン』でも引き続きレオパルドンとともに登場。宿敵モンスター教授と鉄十字団との戦いも描かれる。
- 2018年に公開されたアメリカ映画『レディ・プレイヤー1』の原作小説『ゲームウォーズ』では主人公が操縦するロボットとしてまさかのまさかのレオパルドンが選ばれている。しかし、残念ながら映画版ではガンダムとアイアンジャイアントに出番を取られた。おのれ、ガンダムめ!貴様のためにワシはレオパルドンのハリウッドデビューを見そびれたぞ!…許せる!
- 2018年9月7日に発売されたPS4『Marvel's Spider-Man』でもポーズこそないものの「地獄からの使者、スパイダーマン!」というセリフが本家スパイディによって採用されている。ひょっとすると本家が東映版の名乗り口上を披露するのは初かもしれない。ホログラムだけど許せる!
- 2018年12月にアメリカで公開された映画『スパイダーマン:スパイダーバース』では残念ながらスパイダーマッは登場できなかったが、レオパルドンがカメオ出演している。
- 翌2019年に制作が発表された『スパイダーマン:スパイダーバース』の続編ではスパイダーマッの登場が予定されている。ハリウッド進出にむせび泣く男、スパイダーマッ!
- Netfixで配信中のドキュメンタリー「ボクらを作ったオモチャたち」シーズン3、2話「パワーレンジャー」において先述したレオパルドンとパワーレンジャー(スーパー戦隊)の巨大ロボとの関連性が本作の映像とともに紹介された。
- 2020年3月には新しいおもちゃが発売されることも発表された
。9月にフィギュアーツで東映版スパイダーマンのフィギュアが発売されるほか、超合金レオパルドンもスパイダーブレスレット付きで復刻される。
雑多な豆知識を披露する男
- 本作とは逆に、マーベル・コミックが東映アニメーションのキャラを使って制作した作品も存在する。1979年に刊行された漫画『ショーグン・ウォーリアーズ』がそれに当たる。『惑星ロボ ダンガードA』、『超電磁ロボ コン・バトラーV』、『勇者ライディーン』(他社製だがスタッフが同じ)が登場する(なおゴジラも登場したと一部で言われるがショーグン・ウォーリアーズ名義で玩具が出たのみで漫画未登場)。
また、ショーグン・ウォーリアーズに登場するロボット等の玩具も輸出されていたがその中に漫画未登場のグレートマジンガーやゲッタードラゴン,大鉄人17,バリドリーンといったロボットやメカ、そしてレオパルドンも含まれていた。ただしスパイダーマンとのつながりについては一切触れられていない。 - ガリア役の西沢利明は、後に宇宙刑事シリーズにおいてコム長官を演じたことでも知られる。西沢の没後に制作された『宇宙刑事 NEXT GENERATION』(2014年)では、コム長官の後任としてニコラス・ゴードン長官が登場したが、それを演じたのは、なんと本作で山城拓也 / スパイダーマンを演じた香山浩介(現・藤堂新二)である。かつてはスパイダーマンの力を、そして今度は銀河連邦警察長官の座を引き継いだことに、感慨深いものを感じたファンも多いのではなかろうか。
- 主題歌を歌ったのは『この木なんの木』でおなじみのヒデ夕樹である。
関連商品の宣伝に汗を流す男
本家MARVELコミックに出演し、大活躍する男
関連静画なら削除されまいと油断する男
関連コミュニティへの登録を勧める男
全名乗り口上を披露する男
|
関連項目や外部リンクへ閲覧者を導く男
関連項目
- 駆けろ!スパイダーマン
- きのこ
- SKT
- Spiderm@
- レオパルドン
- まーけたー
- すり替えておいたのさ!
- 喫茶マー
- その必要はない
- ホいつの間に!
- 許せる!
- たわけた歌
- スパイダーマッの全台詞集
- スパイダーマッの登場人物
- スパイダーマン
- スーパー戦隊シリーズ
- スパイダーバース / スパイダーマン:スパイダーバース
外部リンク
- 原作者スタン・リーのインタビュー動画(YouTube)
- コシヌケスペース「哀れな蜘蛛男」
(ニコ動投稿者自らが纏めたサイト。動画の題名全て掲載)
- 137
- 0pt