アサシン クリード シャドウズとは、2024年11月15日 2025年2月14日 2025年3月20日発売予定のゲームである。
概要
ゲーム情報 | |
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ジャンル | オープンワールド アクションRPG |
開発元 | Ubisoft |
販売元 | Ubisoft |
機種 | PC PS5 Xbox Series X/S |
発売日 | 2025年3月20日 |
対象年齢 | 18歳以上(CERO:Z) |
その他 | 日本版のみ特別対応(後述参照) |
フランスのゲームメーカー、Ubisoftの人気シリーズ「アサシンクリード」の最新作。
安土桃山時代を舞台に、忍と侍、信長を恨む者と信長に仕えた者、全く相容れない対照的な立場の二人を主人公に、それぞれの物語が描かれる。
開発は『アサシン クリード オデッセイ』を手掛けたUbisoft Québecが主導。当初は『Codename RED』というタイトルで発表されていた。
奈緒江と弥助にはそれぞれ固有のクエストやスキル、武器、ステータスが用意されており、異なるプレイスタイルが楽しめる。奈緒江は光や影、音、環境の変化を利用して素早く戦い、弥助は強力な戦闘能力を駆使して敵に囲まれても立ち向かう。
光と影、鉤縄や腹這い行動、環境にある物を利用した、これまで以上のステルスプレイが楽しめる。
オープンワールドであり、天候や四季の移り変わりを含む、当時の関西地方を中心とした風土や景色が最新機のグラフィックで再現される。マップの規模は2017年に発売された『アサシン クリード オリジンズ』と同じくらい。
利害関係を結んだりロマンスに発展する際などに選択を迫られる場面があるが、「カノン(Canon:正史)モード」というオプション機能をオンにすれば、そういった場面で既に選択が行われた状態でリニアにストーリーが進行する。
なお、過去作同様「現代編」が存在するが、今作ではプレイアブルではなくムービーのみ。
海外版と日本版の差異
Ubisoftは「審査機関規定に準拠した内容とするため」として、日本版は海外版(北米・欧州)と異なり「切断自体が出来なくなる」「一部日本語音声の変更」といった特別対応がとられることとなった。
「審査機関規定に準拠した内容とするため」との理由だが、過去作では海外版と同じゴア表現が問題なく描写出来ているため恐らく建前であり、本当は後述する炎上騒動を受け、日本人キャラクターに対する扱いを見直したものと思われる。
問題点
トレーラー公開以降の炎上騒動
アサシンを主役としてきた「アサシンクリード」シリーズはそのゲーム性から日本を舞台とする作品が待ち望まれていた。そして2022年9月の新作発表イベントで「Assassin's Creed Codename RED(のちのシャドウズ)」で日本が舞台であることが判明し、世界中のユーザーから大いに期待されたが……。
2024年5月16日のトレーラー公開時
事の発端は2024年5月16日に公開されたシネマティックワールドプレミアトレーラーから。初めは本作の主人公に現地育ち且つ架空人物の「奈緒江」とは別に、実在人物の「弥助」を起用したことにより、海外からポリコレ介入を非難される。日本でも期待外れ等の声は多少あるが、正直これはきっかけに過ぎない。本題はここからで、
- 「畳が正方形」「街中で甲冑フル装備で歩く」「神社で線香を焚く」など、あまりにもツッコミどころが多すぎる日本の描写。
- ファミ通のインタビュー記事にて、弥助を採用した理由として「“私たちの侍”、つまり日本人ではない私たちの目になれる人物を探していました」と、日本人に対する差別とも解釈できる発言をする。(のちにその記述を削除。当時のアーカイブ
)
- Xboxのインタビュー
にて本作のゲームディレクターが「織田信長のような実在した歴史上の人物や当時の出来事を忠実に描いているので、封建時代の日本を舞台にゲームを楽しみながら、この素晴らしい時代について学ぶことができます。」と発言。
これらにより、「(差別発言や歴史考証の不十分さから)日本へのリスペクトが感じられない」「日本史を都合の良いように改竄しようとしている」として大炎上した。
海外ではトーマス・ロックリーの著書を始め「弥助は侍」という認識が広まっており、更にアサシンクリードシリーズ自体歴史考証の高さを売りにしていることもあり、余計にこれが事実であると勘違いする者が増えてしまった。実際Wikipediaの「弥助」記事で編集合戦が発生してしまい英語版・日本語版共に編集がロックされるという事態が起きている。尚、実際の彼は残された史料から「苗字がない」などの理由で、侍である可能性は低いとされている。
その後
その後も情報が解禁される度に賛否両論を巻き起こした。流石に多すぎるので、Ubisoft起因に絞り一部を紹介する。
- ゲームプレイウォークスルー
にて相変わらず歴史考証のボロが見つかる他、弥助が金砕棒を振り回し日本人を斬首するという残酷な描写を見せられる。
- IGNのインタビュー動画
にてナラティブディレクターが「歴史の空白を私たちの歴史で埋めた」「日本史に詳しい方にぜひ楽しみにしていただきたいです」と発言。
- スポーツ・イラストレイテッドのインタビュー
にて斬首に関して問われた際、「死は身近な物事であり、日本では斬首は珍しい光景ではなかった」と間違った歴史を断言してしまう。
- 今作のコレクターズエディションに同梱されるコンセプトアートに、数々の盗作が発覚した
。その中でも、町おこしのボランティア団体「関ケ原古戦場おもてなし連合 関ケ原鉄砲隊」の旗が使用が発覚した後、当該団体はUBIにメールで抗議。UBIは暫く修正対応を渋っていたが(参照①
、参照②
)、最終的に「該当の旗が真っ黒に塗られる
」という措置を行うことが決定した。
- 日本向けPVの字幕を誤って中国語にしてしまう(現在は非公開)。
- 2024年7月12日、パリで開催されたJAPAN EXPOに「ワンピース」の登場人物であるゾロが用いた「三代鬼徹」のレプリカを展示してしまう。(当時の宣伝ポスト
)
公式での謝罪投稿
度重なるUbisoftの失態により、有志により署名活動を行われるなどユーザーの反発は日に日に強くなっていった。また7月後半にはUbisoftの株価が暴落した。
これらを受けてなのか、2024年7月23日に「『アサシン クリード シャドウズ』開発チームより、日本コミュニティの皆様へ」と、X(Twitter)で謝罪コメントを投稿した。このコメントは日本語版と英語版が用意された。
しかし弥助を侍と描写している件を全く説明せず途中で無関係の奈緒江に論点をすり替えたり、フィクションである旨を説明しつつも「敬意を持った表現で日本を描くことに注力した」「忠実な描写に努めている」と主張したり、過去の間違った歴史を流布した件や差別発言の釈明・撤回もなかったりと、到底ユーザーが納得できる内容ではなかった。
発売前まで
- 新PV公開後、「馬の歩き方がムーンウォークみたい」「日本に存在しない笛を持っている」「弥助の馬の降り方が変
」など詰めの甘さが指摘される。もはや間違い探しだ。
- PureArtsは2024年9月19日、主人公2人のフィギュアを販売することを告知
。しかし、「奈緒江が乗っている鳥居が片方だけ破壊されている」という点が問題視される[1]。10月15日、PureArtsは正式に謝罪、デザインを変更すると告知した
。
- 2025年1月9日、UBIは発売日を3月20日に延期すると発表した。しかしこの日は日本で地下鉄サリン事件が起きた日、しかも2025年は事件から30年の節目という最悪すぎる日に被せてきた。流石に偶然だと思いたいが、海外から「調べたらすぐ分かることじゃないか」と批判されている。
- Steamの説明文で、日本語では弥助を「一騎当千の兵」と表現しているが、他の言語では「伝説の侍」と表記する。
……とのように、相変わらず悪い意味で話題に尽きなかった。またこれはゲームに直接関係ないが、UBI自体も新作がバグだらけで対応に追われたり、テンセントなどへの買収の話も浮上し、常に不安定な状態だった。最悪な出来事の連続に海外ユーザーからも「祟りだ」「特急呪物」と呆れた様子であった。
ゲーム内容の問題点
発売前に発覚した問題
「敬意を持った表現で日本を描くことに注力した」「忠実な描写に努めている」と主張しておきながら、季節感や文化の描写に不自然な点が多すぎるというのは前述した通り。それら以外にも、公式トレーラーや先行プレイで以下のことが発覚した。
- 女中や神主など、敵ではない民間人とされるNPCを襲うことができる。しかも海外版では弥助の金棒一振りでそのNPCの首を飛ばすことも出来てしまう。因みにポルトガルの商人には攻撃出来ない模様
(彼はアイテム購入の役割があるため、殺すことが出来ればゲームに支障が出るという声もあるが…)。
- 神社で暴れまわることが出来る他、拝殿に挙がり御神殿を破壊できてしまう。
- 床の一部が黒く表示される、又はチラつくといったグラフィック面の初歩的なバグが発生している。
- 味方キャラクターとして「やや」という女力士が登場する。
特に上2点の、日本文化への理解云々ではなく人としての倫理観を疑うレベルの仕様の発覚に、当然怒りの声が噴出した。謝罪投稿の「敬意を持った表現で日本を描くことに注力した」という主張の信憑性に傷をつけることになり、むしろ「日本人を侮辱するのが目的」「ムスリム相手だと絶対やらんだろ、モスクやコーランを破壊するのと一緒の愚行」と更に怒りを買うこととなってしまった。
主なキャラクター
- 奈緒江
- 史実には存在しないオリジナルキャラクター。アサシンの伝統的なスキルが使える伊賀出身の忍。信長の伊賀攻めにより故郷を失い、同時に何者かによって父、藤林長門守を殺され、亡き父との約束を果たすため旅に出る。短刀や鎖鎌、隠し刃を得物とするスピーディーなアクションが持ち味。
- 弥助
- 信長に仕えたアフリカン。本作では信長を信奉する屈強な侍という設定。主君を死に追いやった組織を追い求め戦場を駆け巡る。巨躯なこともあり、隠密行動よりも日本刀や金砕棒、火縄銃などを駆使したパワフルなアクションが得意。
関連動画
関連リンク
関連項目
脚注
- *鳥居は神域への門であり注連縄は不浄な存在の封印を意味する。また長崎県の山王神社には、1945年に投下された原爆によって片方が吹き飛ばされた片足鳥居が存在し、当時の原爆の凄まじさや破壊力を伝えるために残されている。フィギュアのデザインは鳥居の意味を無視し(そもそも鳥居の上に乗る時点で不敬であるのだが)、また戦国時代の作品なのに原爆で破壊された鳥居をわざわざ使用するのは日本への侮辱ではないかと批判を受けた。
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