概要
王ドロボウJINGとは、月刊コミックボンボンに連載された熊倉裕一の漫画である。
ボンボンコミックから全7巻、新装版がマガジンZKCから同じく全7巻が発売されている。
1999年から連載の場を月刊少年マガジンZに移し、続編である「KING OF BANDIT JING」として連載が続けられたが、2005年7月以降は休載し続けており、そのままマガジンZも廃刊してしまい今に至る。作者病気の為と伝えられることもあるが詳細は不明。こちらの単行本はマガジンZKCから7巻(缶)まで発売されている。
上記をまとめると、現在発売中の単行本は「王ドロボウJING」全7巻、「KING OF BANDIT JING」既刊7巻の計14巻。タイトルは似ているものの、収録されている話は全く別物である。
「輝くものは星さえも 貴きものは命すら 森羅万象たちまち盗む」と評される「王ドロボウ」ジンと相棒である喋る鳥キールの、お宝を求めての冒険物語。ストーリー毎に、ジンガールと呼ばれる美少女が登場し、何らかの形で事件に絡む。
ティム・バートン(特にナイトメアー・ビフォア・クリスマス)の影響を強く受けており、洒落た台詞回しや章毎に挿入される詩文等、小学生向けの雑誌へ連載しているにも関わらず非常に強いメッセージ性を持つ作品であり、ボンボン誌上でも異彩を放っていた。
また、連載初期こそ少年漫画らしい絵柄であったが、巻を追うごとに作画がどんどん変化していき、「KING OF BANDIT JING」では緻密で美麗な絵画を思わせる画風へと進化している。
ジンやキールをはじめとして、ストーリー中に登場するキャラクターの名前や地名などは、そのほとんどが酒・カクテルかそれに関連する言葉から名づけられている。ただし、作者である熊倉裕一本人は「下戸ではないもののあまり飲める方ではない……らしい」とのこと。
(※王ドロボウJING新装版第5巻「王ドロボウ犯罪白書2001年度版 上巻」より)
アニメ版はスタジオディーン制作で、わたなべひろしが監督を務めた。TV版はオリジナルエピソード2話を含む全13話がNHK-BS2(2002年)で放映。後に第七監獄編が収録されたOVA版3巻(2004年)も制作された。
また、ゲームボーイにて2種のソフト「王ドロボウJING ANGEL/DEVIL」が販売された。
王ドロボウの犯罪白書
知ま知こ島檻つ 皮ここだ不人や精海ガそと (見えない都市の歩き方 第一版より) |
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その惨めな最後の戦闘では (『舌戦の果てに』第15部より) |
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王ドロボウとジンガールたち
ジン -Jing-本作の主人公。通称「王ドロボウ」。 黄色いコートにツンツン頭が特徴。 正確な年齢は定かではないが、「王ドロボウJING」では10代、 「KING OF BANDIT JING」では20代前半と思われる。 基本的にクールな性格だが、時にコミカルな一面も見られる。 切り札は相棒のキールと合体して放つ光弾『キールロワイヤル』。 名前の元ネタ:蒸留酒のジン(GIN)。ただしスペルが変更されている。 |
キール -Kir-ジンの相棒である黒い鳥。人間と会話ができる。 自称「ジンの飼い主」であり、ジンとのコンビネーションは抜群。 お調子者で大の女好き。事あるごとに(人間の)女性を口説いている。 ジンの右腕と合体することで、必殺技『キールロワイヤル』を放つ。 名前の元ネタ:白ワイン+カシスのカクテル。 ちなみにキールロワイヤルはスパークリングワイン+カシスのカクテル。 |
シードル -Cidre-登場エピソード:ドロボウの都編 「ドロボウの都」で出会った結晶生物の少女。 ダブルマーメイドの2つ名が示す通り、人魚の姿をしている。 アニメ版では嬉しい時に流す涙が宝石になる。 全部で3つしか台詞がない、ちょっと不遇なジンガール。 名前の元ネタ:りんご酒。発泡性のものが多い。 |
ロゼ -Rose-登場エピソード:ブルーハワイの幽霊船編 愛と正義とミルフィーユを守る美少女警察官。ゲームにも登場する。 正義感が強く非常に活発だが、幽霊は苦手。 容疑者ジンを現行犯逮捕するべく、幽霊船へと同行する。 名前の元ネタ:ワインの種類。濃いピンク色が特徴。 |
ミラベル -Mirabelle-登場エピソード:時の都アドニス編 遅刻罪で処刑されかけていた所を、ジンとキールに助けられる。 腰まである2本のおさげが特徴。花を愛する心優しい少女であるものの、自分の意見をはっきり通す芯の強さも見せる。初めて会った時からジンのことを慕い、ジンが領主に立ち向かった時も信じ続けていた。 名前の元ネタ:ミラベル(黄色のすもも)から作られるワインの一種。 |
イザラ・タンブラー -Izarra Tumbler-登場エピソード:爆弾生物ポルヴォーラ編 ジンとキールの仕事を妨害していた、凄腕の銃使い。 冷徹で、時に残酷な行動を取る事もあるが、根は優しい性格。 ある目的のため、ゴブレットの元へ接近する。 名前の元ネタ:バスク地方で作られたハーブ系リキュール。 |
ベルモット -Vermouth-登場エピソード:不死の街リヴァイヴァ編 ジンとキールにお宝の謎解きを持ちかけた少女。 感情豊かな明るい性格であるものの、何か隠し事をしている模様。 雨を嫌うのか、常に傘を持ち歩いている。 名前の元ネタ:白ワインベースのフレーバードワイン。 |
ベネディクティン -Benedictine-登場エピソード:第七監獄編 カンパリと出会ったジン達の前に突如現れた、夢の牢獄の住人。 次々と舞台が様変わりする夢の牢獄の案内役としてジン達に同行する。 カンパリの「哀しみ」について、何かを知っているらしい。 名前の元ネタ:27種類のハーブによるブランデーベースのお酒。 |
カシス -Cassis-登場エピソード:アマルコルド編 ジンの幼馴染。 町にいる女の子は森の精にさらわれてしまうという言い伝えがあったため、長い髪を帽子の中に隠し、言葉遣いも男の子っぽくしている。 ジンに好意を抱いているものの、なかなか素直になれない。 名前の元ネタ:リキュールの材料の一つであるクロスグリの実。 |
ステア -Stir-登場エピソード:ザザの仮面舞踏会編 デュボネ伯爵夫人の娘。 普段は冷淡かつ生意気な態度を取るが、内面は年相応の少女。 息子を失い、哀しみと怒りに囚われている母・デュボネに対して寂しさを感じている。 名前の元ネタ:「混ぜる・攪拌する」を意味するカクテル用語。 |
キルシュ -Kirsch-登場エピソード:JING ON AIR編 「盗電団」のリーダー。団員共々、猫を連想させるコスチュームを着用しているが、猫耳は自前のようだ。穏やかで心優しい性格ながら意思は強く、他者を救うために自己犠牲的な行動を取ることも厭わない。 ファジーネーブルへの地図を奪い返すべく、ジンを追跡する。 名前の元ネタ:サクランボから作られるリキュールの一種。 |
フィノ・クォート -Fino Quart-登場エピソード:色彩都市の少女編 異端の画家ヴァン・クォートを父に持つ少女。幼くして両親と離別した為か大人びており、感情の起伏があまり無い。生きた作品として身体に刺青が描かれているクォート画伯の傑作であり、オークションで売られていた所をキールとジンに助けられ、彼らと行動を共にする。 名前の元ネタ:強化ワインであるシェリーの一種(フィノ) |
シン・ルー -Shin Lu-登場エピソード:神脳都市ラスティネイル編 ウーリャン博士の助手。15歳。 身篭ったまま路上で死んでいた女性から取り上げられた「死母の娘」。 その時撮られたレントゲン写真を、唯一の生前の母の写真として大切に飾っている。 名前の元ネタ:あんずのお酒、杏露酒(シンルーチュウ)。 |
グレナデン -Grenadine-登場エピソード:蒸発王と千年シチュウ編 コロネーションの街へと向かう一座の一員。 妹のシュガーをとても大事にしており、手出しする相手には容赦しない。 蒸発王のレシピに選ばれなかったことに対して劣等感を抱いており、妹を惨めな失格者にしたくないという思いから、妹を食材として捧げる為の旅路に同行している。 名前の元ネタ:ザクロの果汁と砂糖で作られたシロップ。 |
シュガー -Sugar-登場エピソード:蒸発王と千年シチュウ編 グレナデンの妹。 額に角があり、ここから千年シチュウに必要なエキスが取れるらしい。 姉に比べると控えめな性格で、自身が千年シチュウの材料に選ばれた事も淡々と受け入れているが、心の底では割り切れないでいる。 名前の元ネタ:ガムシロップの別名をシュガーシロップと呼ぶ。 |
アニゼット -Anisette-登場エピソード:赤い風車と恋愛税編 葬礼特区ムーランルージュの審査官。 ジンガール唯一の眼鏡っ娘。(アニメ除く) 成り行きでジン達と同行した結果、ジンに一目ぼれしたと他の審査官に勘違いされ、恋愛税の脱税犯として同僚から追われる羽目になるが、最終的には本当に惚れてしまった。 名前の元ネタ:蒸留酒にアニス等で香味を付け加糖したもの。 |
アリーゼ -Alize-登場エピソード:陽気な未亡人の宴編 メリィ・ウィドウにて追っ手に追われていた少女。歌うのが好き。 殉難花合唱隊(パッションフラワー)ただ1人の生き残りであり、仲間を殺したエギュベルの命を狙うべく、復讐のためにジン達と同行する。 名前の元ネタ:コニャックとプレミアムウォッカベースの果実酒。 |
ピコン -Picon-登場エピソード:黒天鵞絨の底編 自称、王様の遠縁の遠縁の少女。身長がとても低い。手先が器用で、刺繍が得意。「着カザル栄光ト知ラレザル没落ノ服飾ノ都」にてジン達を救い、そのまま同行する。好奇心旺盛で、都が滅んだ理由にも興味を示すものの、どうやって都に辿り着いたのかは覚えていない。 名前の元ネタ:オレンジの香りとハーブの爽やかな苦みが特徴の薬草酒。 |
王ドロボウの目撃写真集
王ドロボウの記録映像
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