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ドウデュース
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ともに、見る

歴戦の名手念願の朝日杯、大歓らせた日本ダービー
不運と挫折を乗り越え、の力を明した有馬記念
最高のを結ぶ人はともに、挑み続ける、走り続ける。
未来へ、世界へ、歓を背負って、をめざして。

JRA「ヒーロー列伝」No.97 ドウデュースexit

ドウデュース(英:Do Deuce)とは、2019年生まれ日本競走馬である。
競馬界の七不思議とも言われた武豊朝日杯を勝てない”というジンクスを打ち破った、2020年代前半の武豊相棒として名を馳せる

な勝ち
2021年: 朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ)、アイビーステークス()
2022年: 東京優駿(GⅠ)
2023年: 有馬記念(GⅠ)、京都記念(GⅡ)
2024年天皇賞(秋)(GⅠ)、ジャパンカップ(GⅠ)

概要 ~ ”勝利目前”のその先へ

ドウデュース
Do Deuce
生年 2019年5月7日
サラブレッド
性・毛色 鹿毛
生産 日本JPN
生産者 ノーザンファームexit
(北海道町)
馬主 (株)キーファーズexit
調教師 康夫(東)
騎手 武豊(東)
名意味 する+テニス用語
(=勝目前の意)
戦績 16戦8勝[8-1-1-6]
獲得賞金 17億7587万5800円
受賞歴
JRA賞
最優秀2歳(2021年)
ベストターンドアウト賞
2024年天皇賞(秋)
競走馬テンプレート

血統・関係者

ハーツクライ*ダストアンドダイヤモンズVindication

内外でGIを2勝したサンデーサイレンス産駒。かのディープインパクトを破った一の日本でもある。種牡馬としてもジャスタウェイリスグラシューなど数多くの大物を輩出した。
重賞2勝のほか、BCフィリー&メアプリント(GI)で2着に入着した実績を持つ米国産のダートスプリンター
三冠馬Seattle Slew産駒。4戦4勝でBCジュヴェナイル(GI)を制し2002年エクリプス賞最優秀2歳に選ばれたが、故障で三冠競走を前に引退した。種牡馬としては立った実績を挙げることなく、2008年に8歳で世している。

馬主キーファーズは、自動車ディーラーマツシマホールディングス松島正昭が保有する馬主業用の会社[1]松島オーナー武豊と20年以上の交を持つ人物で、"武豊と"凱旋門賞を勝つ」ことを最大標に掲げて馬主を営んでいるうえ、その的のために欧州でも凱旋門賞に向く血統のを買ってアイルランドの名調教師エイダンオブライエンの厩舎に入厩させた上で武豊に騎乗させるほどの、筋金入りの武豊ファンでもある。

余談だが、松島オーナーの実松島衣はキーファーズが関わる一口馬主クラブインゼルレーシングexit(外部サイト)の代表取締役を務めており、こちらにも武豊の騎乗機会が多い。

名ドウデュースは松島オーナーが彫刻名和なわこうへい京都食事をしているときに聞いた「どうどす?」から連想して名和から提案された[2]

2歳 (2021年)

東の名門・康夫厩舎に入厩し、もちろん武豊上に2歳9月小倉競馬場デビュー(なお、この後も”基本的に”騎手が騎乗したため、騎乗者は省略する)。
1.7倍の1番人気に支持され、中団からスローを見越して々と押し上げる積極的な競馬を見せ、直線の叩き合いをクビ差制して勝利を収める。

なお、後から見るとこの新馬戦メンツが非常にであった。

御覧の通り上位3頭がすべて重賞勝ちになっているのである。

2戦関東へ遠征し、近年ではソウルスターリングクロノジェネシスの活躍で出世レースとして名高くなったアイビーステークス(L)へ出走。
2番人気に支持されたドウデュースは体重+12kgで出走し、3、4番手から直線半ばで先頭に立ち、後続の追撃を退け再びクビ差で勝利一気にOPに昇格する。

3戦朝日杯FS(GI)メンバー一の重賞2勝セリフォスが2.4倍、札幌2歳Sを圧勝したジオグリフが3.2倍と2頭のが2強の支持を集め、本はやや離れた7.8倍の3番人気に支持された。
5枠9番からスタートしたドウデュース/武豊は、新馬戦に近い中団やや後方の外ポジションへ。ペースがやや流れる中でも落ち着いて追走し、9番手で直線へ向く。ここで大外に出て進出開始し、叩き合いを繰り広げる先行との差をグイグイと詰め、抜け出していた1番人気セリフォスを残り100mでかわして先頭に立つ。なおも食い下がるセリフォスを上がり最速タイの脚で全に競り落とし、最後は半身差をつけてゴール。3連勝で傷のGⅠ勝利を成し遂げた。

キーファーズにとっては念願のGⅠ初制覇。これまでGⅠ・77勝を挙げてきた武騎手現役35年GⅠ78勝、22回の挑戦にして初の朝日杯勝利。「競馬界の七不思議」とすら言われたジンクスを破った武騎手は、しくウイニングランで繰り返しのガッツポーズを見せ、「ようやくこのレースを勝てて嬉しいです」と笑顔をこぼした。残るはホープフルステークスのみ。

なお、この勝利令和元年5月7日生まれのドウデュースは初の「令和生まれJRAGⅠともなった(同年阪神JFを勝ったサークルオブライフは改元前の平成31年3月27日生まれ)。

朝日杯勝利によって、翌年発表された2021年JRA賞では最優秀2歳を受賞。歴史的快挙を名通り前へ進めたとして、ドウデュースはクラシック戦線へ高らかに名乗りを上げたのであった。

3歳 (2022年)

春シーズン

朝日杯から程なくして「弥生賞を経て皐月賞へ向かう」というプランが発表され、予定通り年明け初戦は弥生賞ディープインパクト記念(GII)。1番人気に支持されたドウデュースは中団からレースを進め、最終直線で加速するが、中先頭とほぼ差がない2番手につけていたアスクビクターモア(後の菊花賞である)には届かず、2着に終わった。

弥生賞で獲得した優先出走権を行使し、予定通り皐月賞(GI)出走となったが、ここで松島オーナー&武騎手の悲願ともいえる凱旋門賞への登録が発表される。ドウデュースにとってのクラシックは、遠征の決断を左右する重要な意味合いも持つことになった。
当日は人気割れる中、3.9倍の1番人気に支持され、612番からスタート。武騎手は「(ハイペースの)展開を読んで」後方からの競馬を選択。しかし実際には逃げのデシエルトが出遅れてしまい、1000m602とペースに落ち着いた上、小回りの中山で後方から大外を回される致命的な不利を被ってしまう。それでも最終直線では上がり最速となる338の末脚を使って懸命に追い込んだが、前々で上手く立ち回ったジオグリフイクイノックスを捕まえるには至らず、3着に敗れる。


ポテンシャルを見せていただけに悔しい敗北となってしまった中、大舞台日本ダービー(GI)へ。皐月賞4着で東京向きと見られたダノンベルーガが単勝3.5倍の1番人気皐月賞2着のイクイノックスが3.8倍の2番人気となり、ドウデュースは4.2倍の3番人気に支持される。4番人気となった皐月賞ジオグリフ(5.9倍)までが一桁オッズ内に密接する四強の様相となった。

713番から発走したドウデュース。武騎手は前走同様控える競馬を選択し、後ろに構える。外に固まった他の人気たちも軒並み控え、ドウデュースはジオグリフダノンベルーガの背後という絶好位につけた。さらに今回はしっかりスタートを切ったデシエルトがスタート1000m589とペースで流したため、後方待機がハマり始める。
そのまま中団後方で直線を向いたドウデュース。残り400mあまりでトップスピードに到達すると、ハイペースにより潰れていく先行を別次元の勢いでって捨て、内で一歩速く抜け出したダノンベルーガと先行策から一頭っていたアスクビクターモアも一で置き去りにする。そこへさらに後方に控えていたイクイノックスが外から猛追してきたが、ドウデュースも最後まで譲らず、クビ差振り切ってゴール通過。6万人の大観衆[3]が見守る中、第89代日本ダービーの栄いた。

勝ち時計2分219。4着のダノンベルーガ(2分223)までが前年シャフリヤール記録したレコード(2分225)を上回るハイレベルな結果の中、それをコンマ6破る破格のダービーレコードであった。

調教師2022年時点の調教師現役最多・歴代2位となる3度ダービー制覇勝利インタビューでは「昔から武豊騎手に憧れてこの世界に入っていますから、武豊騎手と人気をしてダービーを勝てるのは感無量ですexit」と喜びを語った。
騎手史上最年長ダービージョッキー記録更新[4]し、2013年キズナ以来9年ぶり、自身が持つ史上最多記録更新する6度ダービー制覇を成し遂げ、中央GI80勝の大台へ王手をかけた。ウイニングランでは満面の笑顔を見せ、スタンドの観衆も万雷の拍手防疫上の観点からはよろしくなかったがユタカコール祝福を贈った。

なお、朝日杯勝ちクラシック勝利2013年皐月賞ロゴタイプ以来9年ぶり。ダービー勝利に限れば、1994年ナリタブライアン以来実に28年ぶりの出来事となった。

秋シーズン

ダービーで好走できた場合のフランス遠征は決定事項だったようで、シーズンフランス遠征から始まることになった。当初は「のんびりした性格故長期滞在を放牧と間違う可性がある」となんともゆるい理由から直行で挑む予定であったが[5]、「コースを経験させたい」という友師の意向によりニエル賞叩きとして使うことになった[6]。なお、アイリッシュチャンピオンステークス(G1)への登録も発表されていたが、こちらは回避となった。

ニエル賞(GⅡ)では最後方からレースを進め、最終直線からスパートをかけるが、先頭集団には届かず4着に終わった。とはいえ当初から叩きということもあり、関係者も「ロンシャン馬場を経験できて良かった」「まだ全力を出せる状態ではなかった」と概ね前向きだった。

日本から合流したタイトルホルダーディープボンドステイフーリッシュらと共に、ドウデュースは本番の凱旋門賞(GⅠ)へ。しかしレース直前から降り始めた馬場状態が大きく悪化し、発送時刻にはカメラ映像むほどの豪雨になってしまう。ドウデュースは終始後方のままほとんどレースにならず、最後は軽く流した走りで19着に大敗(ちなみに日本最高位は11着のタイトルホルダー)。ロンシャンの極悪馬場ダービーにも容赦なく牙を剥いたのであった。

後はジャパンカップす予定とのことだったが、状態が整わないとして回避exit。その間にダービーで負かしたイクイノックスが古相手に天皇賞(秋)有馬記念勝利し、翌年発表の2022年年度代表馬と最優秀3歳は持っていかれてしまった。

4歳 (2023年)

春シーズン

ドバイターフを大標として、始動戦には京都記念(GII)が選択された。体重は海外未計測の都合、ダービーから+18kgとなったが、体は仕上がっており、堂々の一番人気
レース本番もダービー同様、中盤で脚を溜め、最終コーナー上のGOサインがでるや一気に内に飛び込み、最終直線でライバルをみるみる突き離して勝する。

こうくれば再びの海外遠征となるドバイターフ(GⅠ)への期待も高まろうというもの。出前の追い切りでもものすごいタイムを出していたのだが……。ドバイ到着後、現地の医による左前跛行の診断により、出走2日前に念の出走取消。そのまま帰と相成った。

はこのまま休養に入り、内路線に専念。標は秋古馬三冠である。

秋シーズン

第一戦・天皇賞(秋)(GⅠ)では、ダービー以来1年半ぶりとなるイクイノックスとの対決が注された。ドバイシーマクラシック世界中の競馬関係者を驚愕させ、帰後の宝塚記念でも破天荒な追込で勝利をもぎ取ったこの怪物を始め、札幌記念を圧勝したプログノーシス秋天皇賞連覇を見据えるジャスティンパレスなどが参戦。スターズオンアースアサマノイタズラの回避もあり、11頭立ての少頭数ながら不足のないメンバーった。だが……。
レース当日東京5レースの騎乗を終えた武騎手は、下した騎乗太ももを蹴られ、以降の騎乗が不可能になってしまったのだ。よりにもよって蹴ってしまったブラックライズインゼルレーシングであった。急遽、戸崎圭太が乗り替わりの上を務めることになった。日本中の競馬ファンは悲鳴を上げたことだろうが、本番2時間前に武豊専用とも言われるドウデュースを託された戸崎騎手心中も察するに余りある。

本番。戸崎騎手理をしないことを前提に、33番からまずまずゲートを出た後はちょうど中団に控える競馬を選択。イクイノックスを終始視界に捉える絶好位を確保する。ペースジャックドールが577でぶっ飛ばし、群もばらけてどこからでも行けそうな展開。戸崎騎手は4コーナーから手を動かし始め、直線入り口でイクイノックスの外から仕掛けた。……が、持ったままのイクイノックスとの差が全く縮まらない。それどころか、軽く追い出されただけのイクイノックスとの差が一気に開いていく……!

ドウデュースは追えども追えども伸びず、残り200mで全に失速。後続にも次々と差され、結局7着で入線した。2着3着は最後方からの追込であり、不利な展開ではあったものの、それは勝ったイクイノックスも同じ。それどころかイクイノックスは従来値を0.9更新するスーパーレコードまで叩き出しており、ただただ力の差を突きつけられることになってしまった。


第二戦・ジャパンカップ(GⅠ)では、イクイノックスに加え、当年の三冠リバティアイランドを筆頭にメンバーが集結。引き続き戸崎騎手上となるドウデュースは3番人気になったが、単勝オッズでは13.2倍。イクイノックスリバティアイランドの上位2頭とはを開けられてしまった。

本番では前の好ポジションを取り、直線も上がり2位の末脚は使ったが、3番手にいたイクイノックスがまたもや上がり最速の脚を繰り出して他を置き去りにしてゴールイン。ドウデュースはリバティアイランドスターズオンアースにも後れを取って4着に敗れた。

内外GⅠ・6連勝の大記録を打ち立てたイクイノックスはこのレースを最後に引退。1勝2敗のまま、彼にリベンジする機会は永遠に失われた。


ここまで思うように結果が出ないのは、騎手が変わったからなのか、それとも体格の変化で2000m以上は長すぎるようになってきたのか……。様々な憶測が飛び交う中、営は泣いても笑ってもこれが年内最終戦有馬記念(GⅠ)に向かう。ドウデュースを心の支えに療養していた騎手も「ドウデュースの有馬がなければ復帰は来年にしていた」という宣言と共に帰ってきた。

有馬人気投票・上位2頭のイクイノックスリバティアイランドが不出走ながら、スターズオンアースタイトルホルダーJC組に加え、秋天以来のジャスティンパレス凱旋門賞4着のスルーセブンシーズが集い、この年のクラシック勢からも皐月賞ソールオリエンスダービータスティエーラが参戦するメンバー人気割れ割れ有馬記念史上初めて単勝オッズ1桁圏内に7頭がひしめく混戦模様となった。

最終的に5.2倍の2番人気に支持されたドウデュースは、35番の絶好を確保。武騎手調教で行きたがる素振りを感じ、小回りコース中山では分が悪い「後方からの競馬」を考えていた。ドウデュースの末脚を信じたのである。
本番、武騎手は予定通り後ろに下げてじっと折り合いをつける。3コーナーから軽く促され、大外を捲り上げて進出したドウデュースは、中2番手にいたスターズオンアースに並びかけながら直線に向く。前にはタイトルホルダーが3身近くリードしていたが1歩ごとに差を詰め、内のスターズオンアースと競り合いながら残り50mあまりでタイトルホルダーをかわす。最後まで続いたスターズオンアースとの叩き合いも譲ることなく、半身差でねじゴール通過ダービー以来のGⅠ・3勝を挙げ、スタンドにはダービー以来の「ユタカコールいた。

ドバイ出走取消に戦の負傷離脱と、「最も幸運なが勝つ」ダービーを勝ったなのに妙に不運に見舞われ続けた一年だったが、最後の最後で苦闘が報われた。前年のイクイノックス - キタサンブラックに続き、ドウデュース - ハーツクライは史上6例有馬記念子制覇を達成。ダービー有馬記念勝利オルフェーヴル以来10年ぶり。キーファーズは論、友師にとっても初グランプリ制覇。有馬記念4勝となった武騎手は、インタビューでは開口一番「ドウデュースも私も帰ってきました!」と観客席へ力強く一言。「このはこんなもんじゃいと思って、このが一番強いと思って乗った。ドウデュースという名有馬記念に挑めて本当に幸せ笑顔をのぞかせた。

5歳 (2024年)

春シーズン

師は凱旋門賞再挑戦を発表。の始動戦にはドバイターフへのリベンジが選択された。

前の追い切りでは猛時計マークし、輸送で相変わらずの大食いエピソードを増やしつつ、医検一発クリア。出走前は装所からの移動中にっ気を出しているところを全世界に放映された上に友師に竿をかけられてご立派ァ!が萎えていく様まで撮られた。、「ドウデュースのドウデュース」がXでトレンド入りする羽になった。実はドウデュースが装鞍所で馬っ気を出すのはいつものことexitなようで、ある意味いつも通りの調子を保てていたということであろうか。

本番は内オッズで単勝2.1倍の1番人気に推される。そして4番からスタートした……が痛恨の出遅れ。しかも終始内に閉じ込められ、前の群もなかなかバラけず脚を持ち出せない苦しい展開となってしまう。最後の100mでようやく進路が開けて追い込むも、前残り傾向もあったこの日のメイダン馬場では止まらない前を差し切るに至らず、5着入線。武騎手「不完全燃焼」「本来のパフォーマンスが出来なかった」exitと悔しさを滲ませた。


後の2戦は、京都競馬場での代替開催になる宝塚記念(GⅠ)へ。"逆襲の末脚"でグランプリ連覇の営の意気込みもあり、人気投票は圧倒的1位。オッズも前日時点では2.0倍を切る堂々の一番人気
だが、開催日前日から凱旋門賞の苦い思い出がよぎる大雨が降りしきり、排定評のあるはずの改修後・京都競馬場不良馬場に。レース開始前にが止むが、それでも馬場・重。

立った対抗GⅠホースは、先の有馬記念で下したジャスティンパレスソールオリエンスということもあり、一番人気をそのまま背負って出走したドウデュース/武豊だったが、その前に重馬場巧者が立ちはだかった。3番人気同期ながら出世が遅れ、この年長距離戦線で名を上げたブローザホーンである。最後尾を走るドウデュースの左側をピッタリマークしていたブローザホーン/菅原明良は、走り慣れたの坂から一気にスパートし、先行する他を振り切って圧勝。ドウデュースは後方から直線いたインを突き、末脚に賭けるも行き脚は鈍く……。掲示板外の6着入線だった。

秋シーズン

馬場での敗戦によって、凱旋門賞挑戦は白紙に。松島オーナーは今年いっぱいでの引退と、最終標を秋古馬三冠とする旨を発表した。しかしそこは武豊ガチ勢松島オーナー凱旋門賞にはアイルランドの共同購入ベルリン大賞を勝したGⅠ2勝アルリファーに武豊を乗せて送り込んだ(結果は11着)。


ラストシーズン初戦は天皇賞(秋)。相手には本年のドバイ遠征以来となるリバティアイランド重賞連勝で波に乗る「帝王の孫」レーベンスティールなどが集った。ドウデュースは相変わらず調教で抜群の動きを見せ、実績もあってリバティアイランドに次ぐ2番人気に支持された。

47番からいつも通り普通に出たドウデュースだが、武騎手有馬記念と同じ「中の不利を極力回避し、末脚に賭ける」作戦を選び、後ろから23頭の位置につく。前は1000m599とさほど流れず、展開も淡々として追込には苦しい展開になっていくが、上は全く焦らず、固まった群を見るように後方2番手で4コーナーを回る。そして狙い通りに大外に持ち出されて徐々に加速し、残り2ハロンの地点でGOサインが出ると……ドウデュースは弾けた。
かつて武騎手に導かれたスペシャルウィーク「逆襲のラン」の様に、凄まじい加速で先行たちをごぼう抜き! 残り4030m辺りで先頭に立っても唸るような足は衰えず、先行策から王道競馬で追いすがってきたタスティエーラを1身1/4差置き去りにする勝を収めたのであった。上がり3ハロン数字JRAGⅠ勝利では史上最速の325[7]。実にラップタイムにして10.94秒-10.56秒-10.98秒の10秒台三連発exit

GⅠ・4勝となるドウデュースは、ゴールドシップ以来7頭となる4年連続でのJRAGⅠ制覇を達成。2歳5歳での記録に限ればブエナビスタ以来4頭では初の偉業を成し遂げた。武騎手保田隆芳に並ぶ史上最多タイ秋天7勝通算で史上最多の天皇賞15勝。これまで秋天では複勝圏内すらなかった友厩舎にとっては初制覇となった。


次走、ジャパンカップ世界からはGI6勝のディープインパクト産駒オーギュストロダンKGVI&QESの勝ちゴリアット2023年の独ダービーファンタスティックムーンが参戦し、日本勢も二冠牝馬チェルヴィニア、前年3着のスターズオンアースなど強力なメンバーが集結。ドウデュースは単勝2.3倍の1番人気に推され、日本総大将として世界の強たちとの決戦に挑むことになった。

33番からゲートは五分に出たが、前走同様に位置を下げていき、一時は最後方になろうかという後方2番手からの競馬人気どころは前に固まり、戦前から予想されていたとおり1000mは622というスローペースに落ち着く。これを見越したドゥレッツァが向こう正面で先頭に押し上げるなど先団はまぐるしくポジション入れ替わり、ドウデュース自身も3あたりから相当行きたがる素振りを見せ、武騎手ガッチリと抑えて大欅を通過する。
遅すぎるペースとドウデュースのやる気、そして有馬記念ロングスパートをかけた経験から、武騎手は残り700mからの仕掛けを決断。ドウデュースは待ってましたと言わんばかりに4で一塊になった群を切って捨て、直線僅か150mほどで先頭に躍り出た。しかし々に先頭に立ったドゥレッツァの脚色は衰えずしい叩き合いになり、さらに序盤にハナを切り中盤以降脚を溜めていた凱旋門賞帰りの3歳シンエンペラーも最内を突いて追走。3頭並んで200mあまり競り合いが続くデッドヒートとなったが、ゴール前で最後の一伸びを見せたドウデュースが2頭をクビ差しのぎきり勝利。2着以下は全な前残り決着の中、最後方から末脚と根性で押し切る圧巻の競馬GⅠ5勝を手にした。

上がり3ハロン3272012年に328を記録したジェンティルドンナを上回るジャパンカップ勝利史上最速であり、天皇賞(秋)に続いて新記録を打ち立てた[8]。武騎手2016年キタサンブラック以来となるJC5勝。前年C.ルメールに並ばれていたJC最多勝利記録更新し再び単独トップとなった。その歴戦の武騎手も、中引っかかってから繰り出された破格の末脚に「アンビリーバブル」「半マイルどんだけで上がったんやろな」「こんな馬いないで」と驚嘆の言葉が止まらなかった。また、友師は2017年シュヴァルグラン以来の7年ぶり2勝


レース後、ラストラン有馬記念出走が表明される。人気投票では第1回中間発表の時点で既に19万票えの圧倒的な得票を集め、最終結果では従来の最多得票数記録(2022年タイトルホルダーの36万8304票)を大幅に更新する47万8415票もの支持を集めた。有効投票件数は53万9916件だったので、実に88.6%投票率になる。当日の定席抽選も、最低倍率ですら23.6倍(Eブロック1F)、最高倍率に至っては337.4倍(ボックスシート)のプラチナチケットとなった。

順抽選会では絶好の、そして両隣に上位人気が予想されるダノンデサイルアーバンシックが入る12番[9]となり、秋古馬三冠、そしてウシュバテソーロ日本歴代獲得賞金、テイエムオペラオーJRA年間獲得賞金の記録更新への期待は膨らみに膨らみ、ファンボルテージは最高潮に達した。

……だが、レースを2日後に控えた12月20日、ドウデュースは運動後に右前肢の跛行を発症。関係者協議の結果、出走取消の上に引退式も中止が決定。数多くの記録は見果てぬに終わってしまったのだった。

中山競馬場11Rは第69回グランプリ有馬記念GI)、芝2500m、芝・良のコンディション。
16頭のところ残念ながら去年の覇者、そして引退レース、2番のドウデュースは金曜日に右前肢跛行のため出走を取り消しました。しかし、有馬記念ではありません。新たなHEROが生まれる有馬記念

──しかしここであえて言わせていただきたい。
ありがとうドウデュース、そしてさようならドウデュース。

15頭が間違いなく、方を越える走りをする。
3コーナー手前の、今、ゲートインが始まろうとしています……

清水久嗣 ニッポン放送アナウンサー

あまりにも唐突に、そして念極まりない幕切れとなってしまった競走馬生。しかしそれも、彼に更なる使命があるからこその決断である。次は種牡馬として、最大の好敵手イクイノックスとの第2ラウンドに突入していく。

私はいつか、ドウデュースの子供武豊ジョッキーを背にパリロンシャン日の丸を上げるという夢の続き標に頑ります。
ファンの皆様、これからも応援して頂きますようにお願い申し上げます。
ドウデュースの引退にあたり私の感謝の言葉といたします。皆様、本当にありがとうございました。

松島正昭 「ドウデュースファンの皆様へexit」より

さらっと武豊が59歳まで現役続行することになってる……。

余談

おどう大食い伝説

血統表

ドウデュースの血統
ハーツクライ
2001 鹿毛
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
アイリッシュダンス
1990 鹿毛
*トニービン *カンパラ
Severn Bridge
*ビューパーダンス Lyphard
My Bupers
*ダストアンドダイヤモンズ
Dust and Diamonds
2008 鹿毛
FNo.3-d
Vindication
2000 黒鹿毛
Seattle Slew Bold Reasoning
My Charmer
Strawberry Reason *ストロベリーロード
Pretty Reason
Majestically
2002 黒鹿毛
Gone West Mr. Prospector
Secrettame
Darling Dame Lyphard
Darling Lady
競走馬の4代血統表

クロス:Lyphard 4×4(12.50%)Hail to Reason 4×5(9.38%)

牝系を遡ると5代で*ダンシングブレーヴ(凱旋門賞など)、Jolypha(GI2勝)兄妹祖母でもあるOlmecに辿り着く。Olmecの牝系には他にメイショウベルーガメイショウテンゲン子がいる。

関連動画

関連静画

関連リンク

関連項目

脚注

  1. *松島オーナー海外でも複数のを所有しており、2021年ジャパンカップに参戦したアイルランドの"Japan"と"Broome"も彼の所有馬である。海外では個人名義を用いているが、日本国内では法人名義で馬主を営んでいる。
  2. *ドウデュース 名前の由来は「どうどす?」 松島オーナーが明かす名付け親は世界的彫刻家― スポニチ Sponichi Annex ギャンブルexit
  3. *コロナ禍になってからのダービー2020年無観客2021年が数千人の入場規制の下行われていたが、2022年はそれが7万人にまで大幅に緩和され、スタンドを埋め尽くすほどの「大観衆」が戻ってきた最初のダービーであった。
  4. *それまでの最年長記録増沢末夫騎手の48歳7ヶ
  5. *2022年6月1日の取材exitより。
  6. *netkeiba "ドウデュースがニエル賞から凱旋門賞へ 来週栗東に帰厩"exitより。
  7. *勝利以外も含めるとアーモンドアイ2019年安田記念で出した324がJRAGI最速上がり記録となっている(結果は3着)。
  8. *JC全体では2012年に3着となったルーラーシップと並ぶ最速タイ記録
  9. *奇しくも、7年前に武騎手キタサンブラック有馬を制した際の番と同じであった。
  10. *テレビ東京系「ウイニング競馬」2023年9月23日放送分exitより。
  11. *BS11"BSイレブン競馬中継"2022年5月29日放送分exitより。
  12. *競馬ブックnote記事「よく食べ、よく走る ~ドウデュース~exit」より。
  13. *脚注10に同じ。
  14. *キーファーズサロン松島正昭独占インタビュー!!凱旋門賞を勝ち取る為にexit』より。
  15. *UMATOKU【有馬記念】国内外G1・24勝を誇る名将が驚くドウデュースのタフネス&回復力「マカヒキ、ワグネリアンとは違う」exit』より。
  16. *UMATOKUドウデュース、有馬記念Vから一夜明けもカイバをペロリexit』より。
  17. *スポーツ報知水納愛美記者の2024年10月14日のXポストexitより。
  18. *脚注9に同じ。
  19. *netkeiba "NONFICTION FILE"exitより。
  20. *朝日杯後のYahoo!ニュースの取材exitより。
  21. *刊『優駿2022年7月号より。
  22. *日本調教師会の2022年6月1日の取材exitより。
  23. *中日スポーツ2022年5月30日の記事exitより。
  24. *脚注13に同じ。
  25. *2023年3月16日前川助手のInstagram Liveより。
  26. *netkeiba"【イクイノックス×ドウデュース】担当助手だけに見せる素顔を徹底比較! 両陣営に共通の質問をぶつけてみた(番外編)"exitより。
  27. *キーファーズトレセンレポート2023年12月20日分exitより。
  28. *前川助手の2024年3月21日Instagramストーリーズより。
  29. *2024年3月27日の前川助手のInstagram Liveexitより。
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ドウデュース

2469 ななしのよっしん
2024/12/26(木) 08:46:09 ID: Xw6WQrMgtd
よく分からん名前だと思っていたが京言葉だったんだなあ
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2470 ななしのよっしん
2024/12/26(木) 15:26:41 ID: NrjIupDcey
個人的には横に字がたくさん続く戦績よりも
縦に並んでる方がワクワクする
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2471 ななしのよっしん
2024/12/26(木) 17:32:42 ID: Yrp3NFBFLE
さっきグリーンチャンネル見てたら、ドウデュースとシャトーブランシュの配合に触れてたから調べてみたけど
トニービンの4×3ができるのか
気性終わってそう()
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2472 ななしのよっしん
2024/12/26(木) 18:11:26 ID: cxdClPbqqY
>>2469
普通英語読みで付けるならドゥーデュースで、
7文字だから字数制限にも引っかかってないし妙だとは思ってたよね

それ以前にデュースをするっていう言葉をまずテニスでは聞かないのだけど
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2473 ななしのよっしん
2024/12/27(金) 08:43:00 ID: TNYITF5Oiv
>>2467
セリフォスくんです!」
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2474 ななしのよっしん
2024/12/27(金) 14:59:54 ID: 0u1hu7Wbbj
社台SSで入居する房はイクイノックスオルフェーヴルの間になった模様
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2475 ななしのよっしん
2024/12/27(金) 15:30:26 ID: TNYITF5Oiv
そして対面シャフリヤール
なんだこの間w
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2476 ななしのよっしん
2024/12/27(金) 16:34:41 ID: Yjt8o+Nzmm
何とは言わないけど'あっち'の方の房じゃなくて平和間の方で良かった
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2477 ななしのよっしん
2024/12/27(金) 19:21:50 ID: TNYITF5Oiv
あ、そういやイクイノックスの隣ってこた斜向かい(シャフ横)はキタサンブラック
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2478 ななしのよっしん
2024/12/29(日) 00:04:24 ID: cxdClPbqqY
>>2474-2477
…これ競馬ファンを放り込んだら松島オーナーじゃなくても心臓止まりそうな間出来上がってないか?
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