山口剛央(やまぐち・たけひさ)とは、ウェザーニューズ社所属の気象予報士である。
概要
京都府出身。[1]の頃に本屋で手に取った気象観測数値データだらけの「理科年表」に出会い、気象に強い関心を抱くようになる。高校生頃からは気象に関する報道や記録を収集したり、自己流で自宅の気象観測をするまでになったという。本人曰く、初めて気象の記録をしたのは1985年12月17日の積雪量で、その後1986年11月9日からウェザーニューズ社に就職する前日の1997年1月22日までは天気や雨量などをずっと記録していたとのこと。ただ、学校の理系科目が苦手だったため大学は地元[2]の法学部に進み、1995年製薬会社に就職。その後1996年3月に気象予報士試験に合格。当時は製薬会社での仕事にも不満はなく、漠然と準備ができてから気象関係へ…と考える程度だったが、たまたまその年の秋に転勤の打診を受けたのを機に、民間気象会社への転職を決断…したものの、前職を退職してから就職先の会社を探すという冒険の末、1997年1月にウェザーニューズ社に就職。予報センター所属となったのは2018年7月で、それまでは地象センター、道路気象、電力気象などに所属していた。
ちなみに、まだウェザーニューズ社に行く前に、当時一般人ではテレビの天気予報と新聞掲載の画像以外触れることはまずなかったであろう気象衛星「ひまわり」の受信機を個人で購入。メーカーの人曰く、個人で買ったのは2人目だったというが、当然高額ゆえ社会人2年目だった当時は無一文同然になったという。ただ、その受信機は1年で壊れたのだが、好きな時に衛星写真を見ることができたのはいい思い出であり、購入したことに全く後悔は感じなかったという。
気象に目覚めた原点でもある災害、特に地震の解説を得意としており、不定期で放送される特集コーナーではその豊富な知識を聞くことができるほか、出演中に地震情報が入った際には即座に発生地点における過去の地震発生履歴に基づいた今後の危険性を解説するなど、得意分野を遺憾なく発揮する。
「ぐっさん」
ウェザーニューズ社が配信している気象番組には「SOLiVE24」時代に地震時の解説として2009年頃から出演を開始。2011年3月11日の東日本大震災発生時には予報センターからの解説出演中に本震発生に遭遇し地震情報をアナウンスし続けた宇野沢達也予報士をサポートする形で直後から予報センターでの解説に加わり、次々と広範囲で発生する余震に加え翌日未明には長野県北部地震も発生する異様な状況に対して、今後への注意喚起や過去の事例を踏まえたコメントをしていた。
その後も「SOLiVE24」時代は地震に関しての解説者として不定期出演していたが、2018年に番組が「ウェザーニュースLiVE」となってまもない同年7月に予報センター所属となったことで、スタジオに入る気象解説担当のレギュラー気象予報士の1人となる。天気予報の解説をレギュラー放送で行うのはこれが初めてだったため当初はガチガチに緊張したという。
番組中は分かりやすい語り口で解説を行う一方、キャスター陣から季節の話題やウェザーリポートにちなんだりといったお天気以外の話題を振られた時には、興味がなかったり知らない話題も多く困惑・苦笑いするシーンもしばしばみられる。一方、気象や災害のデータが絡むと過去の事例を日付単位で即答しキャスターが驚くことも多い。
お堅い風貌通りの?シャイな性格は視聴者からも広く認識されているようで、2020年にデビューした内田・武藤両キャスターと共演した際にはその2人以上に心配されるほどであった。(御本人曰く、心配するコメント欄を見て余計に緊張したとのこと)
一方で、
- 「二十四節気の「小満」は文字で見ても何のことかわからないからランキング最下位」
- 「季節の中では寒くなって日照がどんどん短くなっていく晩秋が嫌いで元気がなくなる」
- 「気候の変化を見るために昆虫(セミ、アリなど)の観測をして記録している」
- 「風呂は専らシャワー、特に夏は水シャワー」
- 「ビール派。冬でも。」
- 番組内で流れた「旬食予報」(旬の食材を使った料理の紹介)の動画を見て、料理ではなく調理器具として使われたガスバーナーに興味をそそられ即座に購入、ナポリタンなどをあぶって食べることにハマる。(その後、ホットサンドメーカーにも興味を惹かれ購入しハマる)
- 筋金入りの阪神タイガースファン(ただし近年は専らテレビ観戦)
などといった素顔が次々と引き出されたり、意外と斜め上の答えを恐縮しながらハニカミつつ語る一面を見せたことで、にわかに「個性的な予報士さん」として認知されるようになり、今ではキャスターに話題をぶっこまれた時の返しにも注目が集まる存在となった。データに基づくきっちりした気象解説から切り抜き動画の格好のネタになる発言をうっかりやってしまい、後日キャスターに突っ込まれて平謝りする姿まで愛されており、ニコニコ生放送の視聴者からは「ぐっさん」の愛称で親しまれている。
「誰しもの中にもプロの要素は必ず入ってます」
何も見ずにスラスラと台風や地震などの過去の気象データを即座に答える姿は誰しも驚き、プロと呼ぶにふさわしい。「SOLiVE24」時代は番組出演者以外のウェザーニューズ社社員を取り上げる企画もあり、その頃から注目されている一人であった。まだゲスト解説での出演のみだった時代である2012年6月3日放送の「SOLiVEナイト」でMCを務めた番組プロデューサーの村田泰謁は「山口さんは『覚えるつもりじゃないんですけど』と言うが、聞いたら必ず出てくる。『ちょっと待ってください、調べます。』というのを見たことがない。すべて即答。」と当時からその能力に感嘆していた。
2021年4月18日の「ウェザーニュースLiVEイブニング」で松雪彩花キャスターからその記憶力について問われると、やはり「覚えるつもりで覚えたことはなく」、「興味のあることは放っておいても何でも入ってきた」といい、データを詳細に覚えたのは中3の頃に「理科年表」を読むのがめちゃくちゃ楽しかったからと語った。松雪キャスターは「中3なんて私は学校帰りのサーティワン美味しいとかですよ…」と言いつつ、ただ「サーティワンのアイスの名前なら覚えるつもりはないが覚えてた」という一言に、「そういうことなんですよ!」と。「それ(興味を持った分野)がたまたま〇〇地震や○○台風になってるだけ」。そして、
と語っている。
ダンゴムシ事件
2022年3月27日にそれは起こった・・・。
入社してまだそんなに月日が経っていないお天気キャスターの大島璃音との会話の中で、春の陽気からダンゴムシの観察の話になり、まだ目撃していない等と普通に会話をして番組を進行していったのだが・・・。
大島「さぁ、ということで ダンゴムシ『にも』ねぇ、解説していただきましたけれども・・」
ぐっさん「(笑顔で笑いながら)ダンゴムシ『の』ですよね(笑)」
大島「あ!ダンゴムシの・・」ぐっさん「私ダンゴムシではない・・(笑)」
とまさかのぐっさん=ダンゴムシという、とんでもない言い間違いに、周囲がざわついた!
ここまでの流れもさることながら、後半で大島が笑い崩れながら「ダンゴムシ『も』って言いたかっただけ」弁明するも、自分の言った事を復唱しつつ・・
大島「山口さんはまったくもってダンゴムシではございません!」
と謎の強調が更に笑いを呼び起こしてしまい、この動画が翌日3月28日に公式で切り抜き動画が紹介されると、瞬く間に人気が出てしまい、ある意味2人の代名詞ともなってしまう出来事になった。
通常この手の言い間違えは相手には失礼に当たるのだが、当の言われた本人は「関西人の気質でボケをふれれたらツッコミ返す」と言い、また元々の愛される易しい人柄もあり、ダンゴムシ事件からウェザーニュースに入った人からも愛される人となった。またこのダンゴムシ事件から2・3年あってない人からも「ダンゴムシ見たよ!」とか声をかけられる様になったので、あの事件に関しては自身の人生に良い方向に影響を与えた出来事であったと振返っている。
2024年1月現在このダンゴムシ事件の動画はYouTubeで1400万回以上の再生数を出し、今も愛されている出来事になっている。
阪神大好きのおじさん
上記でも触れられていたが、筋金入りの阪神タイガースファンであり、30年以上の長いファン歴で、ビール片手に黄色い虎手袋を片手にはめ、録画を見るのが楽しみとしている。
そのせいか、2022年のウェザーニュース内のトークでは、序盤の大敗もあってかホークスファンの内田侑希とのバチバチのトークでマウント取ったり取られたりで、他の女子キャスターも巻き込んでこの年の一つの風物詩となった。
そして2023年は阪神タイガースが好調で、『アレ』を迎えた時や、38年振りのセパ両リーグを制しての日本一になった際も、アレの時の中継放送や優勝直後に川畑玲キャスターから祝辞を言われ、その後には『【LIVE】阪神タイガース38年ぶり日本一 熱血阪神ファン山口剛央予報士の涙の感謝を伝えたい配信!』をウェザーニュースの特番として用意するほどになった。山口ファンだけでなく番組からも愛されている阪神ファンである。
また野球の話の際には「野球に興味ない方に申し訳ない」とか「阪神の関係者じゃないですし、一阪神大好きおじさんです」と謙虚な姿勢も忘れずにいる。
関連動画
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関連項目
関連項目
脚注
- *関連項目にある取材記事では「中学2年生」とあるが、番組内で本人がこのことを話した際は「中学3年生」と語っている。
- *京都大学卒と誤解されることがあるらしく、本人が番組中に「京都の大学です」と否定した。
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