デカ過ぎんだろ...とは、デカ過ぎることである。
概要
初出はマンガ『新テニスの王子様』Golden age289における1シーン。
日本VsドイツのD2にて、ダンクマール・シュナイダーの「巨像(ギガント)」を目の当たりにした平等院鳳凰(にイリュージョンした仁王雅治)が発した台詞である。
テニスではなくテニヌと称され、奇天烈な技が多かったテニスの王子様において体の大きさを操作する技が大々的に登場したシーンであり、それまで普通のサイズ(と言ってもそもそも素のダンクマールも長身であるのだが)だったのに見開き1ページでいきなり巨大化した対戦相手と対峙する主役チームという光景は多くの読者の困惑の渦へ飲み込み腹筋崩壊させていった。
同時期にキャラクターが巨大化する作品がいくつか出ていたこともあり「ダイマックス」、「進撃の巨人」とも呼ばれ、一連のシーンと合わせてこの台詞はインターネット上で一躍有名となり、インターネット上においても定型文の一種として使われるようになった。その使い方も作中同様なにかデカ過ぎるものを見た時に使ったり、「〇〇過ぎる」事象に使えばいいので高い汎用性を誇る。
なお、ツイッターにおけるテニスの王子様公式アカウントも連載先のジャンプSQ.発売を宣伝するツイートにてこの1シーンを使っており、この技を「人智を超えた技」と称している。テニスで人智を超えるのは本作においてよくあることなので気にしてはならない。
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https://twitter.com/tenipuri_staff/status/1224542667788308480
なお、ニコニコ的には「あいつこそがテニスの王子様」における「メリモとマラム」が伏線回収として話題になった。このシーンはステージ後方両端の台上にいるH前病魔とピヨシート、そしてステージ中央のhrmtという構図をステージ中央下からアオリで撮っているのだが、配置の関係上3人いる中で1人だけ大きく見えるhrmtに対し「(メリモとマラム)そして巨人」というコメントが付くのが恒例となっている場面である。
巨大化について
さて、このシーンを見た読者なら「どうやって巨大化しているのか」が気になるはず。
実は、その後特に何の説明もなく試合が展開され、相方のベルティとの「能力共鳴(ハウリング)」で発動させた「衛星視点(サテリートゥパスペクティーヴ)」の解説の際に技名が出てきたのみで、作中でこの技の説明をしているシーンが存在しない。そのため巨大化の原理やそもそも技なのか体質なのかという点は不明な部分が多い。ツイッター公式アカウントのツイートから、おそらくは技の一種とされる。
だが、デュークホームランで吹っ飛んだベルティをお腹で受け止めたシーンを見るに、バトルマンガ作品によくある「強すぎて大きく見える」、「何かで大きく見せている」のではなく本当に巨大化している。
当然打たれたボールのパワーもスピードも向上するようだが、それどころか持っているラケットとボールも合わせて巨大化している。テニスしている当人たちが普通にラリーしているため、おそらくダンクマールが触れている間だけ巨大化する仕組みなのか、巨大化したボールがガットに収まる大きさなのだろうが、作中においてそのような説明は一切ない。仲間のドイツ代表チームはともかく、日本代表チームも、審判も、観客さえも「どうやって巨大化してるのか」について疑問を抱いていないようである。対面している平等院(仁王)に至っては「世界は広い」と高揚する始末。
このようにツッコミどころ満載の能力だが「どうやって会場に入ったのか」という点については、ゲームが始まった時のダンクマールが他の3人と同じサイズで戦っているため、常時巨大ではなくやりたい時に巨大化できるということで説明できる。しかし「フットフォルトでは」というツッコミに関しては作中でフットフォルトを指摘されているシーンが存在しないためどうなるか不明。
とにかく判明しているのはデカ過ぎるレベルに巨大化できることである。デカ過ぎんだろ…
アニメ版
TVアニメ『新テニスの王子様 U-17 WORLD CUP SEMIFINAL』ドイツ戦が描かれることが決定し。ティザーPVには巨大化したダンクマールの姿も確認でき「ついにデカ過ぎんだろ...が映像化するのか」とファンを驚かせた。アニメは2024年10月から放送中で、ニコニコ動画でも配信中(後述の関連動画を参照)。ダンクマールが活躍するのは4話以降となるが、さっそくこの台詞がコメントとして書き込まれている。
余談だが同じクールの別アニメ作品で巨大化描写があった場合は、これまでにも増してこのコメントが書き込まれるようになった。
第3話 誰がために強く
ラストでダンクマール&ベルティペアと仁王&デュークペアが顔合わせして終了。肝心の試合は次回からとなる。
エンディング後に第4話の次回予告が流れ、ダンクマールが巨大化しているカットが映りファンの期待を高めた。なお次回予告ナレーションを担当するリョーマは仁王の進化したイリュージョンの紹介に注力しており、ダンクマールたちについては「テニスAIに巨大化って、規格外過ぎない?」と割りとあっさりしたツッコミですませている。
第4話 最期のイリュージョン
もともと期待値が高かったことも相まってこの改変は話題となり、中には「原作のシュールな雰囲気が、ただのギャグっぽくなってしまった」というような批判的な意見もある。
しかし台詞改変ばかりが話題になるものの、決してアニメでのデカ過ぎ演出そのものが残念というわけではない。例えば
- ダンクマールがボールをバウンドさせる音が次第に大きくなることで、ジワジワ巨大化することを間接的に描写
- ボールがバウンドするだけで地響きが起こる
- ダンクマールが放ったボールがコートに着弾しただけで、平等院(仁王)やデュークがふっとばされるほどの突風が発生
- あまりにデカすぎるために、様々なシーンにダンクマールの巨躯が写り込む
というように、アニメならではの映像と音声を活かしたダイナミックでインパクトのある演出となっている。
これを踏まえると、呆然とするような静かな印象の「デカ過ぎんだろ...」という原作版の台詞に対し、アニメ版では如何にデカ過ぎるかを「デッカ過ぎるやろぉ〜!?」と驚愕する台詞で表現したかったのかもしれない。
エンディング映像
エンディングではダンクマールや手塚たちドイツ代表チームが修学旅行街を散策するという感じの映像が流れるのだが、ダンクマールだけ一回りほど大きく描かれているため見切れていて笑いを誘ったり、メンバーが決めポーズをとるシーンではサイズ感がおかしく見えるため遠近法だとネタにされたりしている。
なお、ダンクマールたちとの試合は続く第5話中盤で決着となり、5話後半からは手塚対幸村の試合が始まる。ところが、その5話のエンディング映像のラストシーンの背景に建物を超えるサイズまで巨大化したダンクマールが加筆され、比較的真面目な手塚幸村の試合に見入り始めていた視聴者の腹筋に追い討ちをかけた。
このことからも、アニメ制作側もしっかりネタとして認識していることが伺える。
関連動画
デカ過ぎエンディング(エンディング自体は21:39~、追加カットは23:01)
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