ゼンノロブロイ(ウマ娘) とは、Cygamesのメディアミックスプロジェクト『ウマ娘 プリティーダービー』の登場キャラクター。
実在の競走馬「ゼンノロブロイ」をモチーフとするウマ娘である。 CV:照井春佳
概要
誕生日:3月27日 身長:140cm 体重:増減なし スリーサイズ:B89・W56・H78
トレセン学園の図書委員を務める愛書家。物静かだが、胸の内には英雄譚の主人公になりたいという熱い想いがある。
何事も器用にこなすものの目立たないタイプだったが、野良レースで勝った際に「ロブ・ロイのような英雄になりたい」という小さな夢が萌芽した。
おとなしい性格の文学少女ウマ娘で、とにかく本を読むのが大好き。引っ込み思案な性格で、レースに対しても弱気に考えがち。本好きな子を見かけたら仲間意識が生まれるらしく、饒舌になる。
(リニューアル前)
黒縁眼鏡をかけた小柄で内気な文学少女。体が弱かったこともあって幼い頃から読書に親しんでおり、魔術や紅茶などの分野にも博識。
原案の勝負服は黄色いリボンのセーラー服に緑のチェック柄のスカート、灰色のコートと、制服風というか制服そのものの飾り気のないデザイン。
ゲームでは大きく変更され、スコットランドの民族衣装キルトを思わせる、「ロブロイ」要素が強く出たデザインになった。
イラストでは胸の上に手を置いている(原案イラストに至っては本を抱えて完全に隠している)ため目立たないが、実は相当な巨乳の持ち主である。
ゲームでの扱い
ステータス(☆3) | |||||||||||||||||||
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スピード | スタミナ | パワー | 根性 | 賢さ | |||||||||||||||
88 | 97 | 91 | 74 | 100 | |||||||||||||||
バ場適性 | |||||||||||||||||||
芝 | ダート | ||||||||||||||||||
A | G | ||||||||||||||||||
距離適性 | |||||||||||||||||||
短距離 | マイル | 中距離 | 長距離 | ||||||||||||||||
G | E | A | A | ||||||||||||||||
脚質適性 | |||||||||||||||||||
逃げ | 先行 | 差し | 追込 | ||||||||||||||||
G | A | A | E | ||||||||||||||||
成長率 | |||||||||||||||||||
固有スキル『掲げよ、己が魂の剣を!』 | |||||||||||||||||||
レース終盤の残り400m地点で前の方だと速度が上がる、さらにGⅠなど大舞台で人気が高い場合すごく上がる | |||||||||||||||||||
ウマ娘テンプレートボックス |
2021年4月26日にRとSRサポートカードが実装、2021年8月20日実装のエイシンフラッシュの育成シナリオ内で固定ライバルとしてレースに初登場。同時に勝負服の3Dモデルも実装された。
エイシンフラッシュ・トーセンジョーダンとは世代が大きく離れており直接的には関係ないが、2人と近い世代の産駒でありGⅠ戦線を競った1頭であるペルーサを意識した人選と思われる(エイシンフラッシュ・トーセンジョーダンシナリオでは他にも未実装のライバル馬の代役としてその親・祖父母世代が登場しており、スペシャルウィーク→ブエナビスタ エアグルーヴ→ルーラーシップ フジキセキ→ダノンシャンティ・マンハッタンカフェ→ヒルノダムール メジロマックイーン→ドリームジャーニー グラスワンダー→アーネストリーが該当する)。
2022年12月12日☆3「Heroic author」として育成実装。意訳すると『英雄譚を紡ぐもの』。英雄願望が強い彼女らしい詞である。固有スキル演出も彼女の名の由来であるロブ・ロイらしくブロードソードを振りかざす戦闘的なスタイル。
アオハル杯出走時やライバル枠での登場では差し中心のスキル構成だったが、育成版はかなり先行寄り。固有スキルは差しでも加速に成功すれば発動は狙えるので、差しもできなくはないが。
シナリオは憧れの先輩シンボリクリスエスとの関係と、「英雄になりたい」という夢を軸に展開する。
目標レースは終始史実をなぞる。クラシック級の有馬記念では史実通り引退を公言したクリスエスと対戦、史実での大圧勝を反映して普通の最終目標ライバル以上の凄まじいステータスで現れる実質負けイベントとなる。
当然、秋シニア三冠はすべて1着目標。ラストの有馬記念ではクリスエスがロブロイとの対戦を望み復帰する展開になり、今度はサクラチヨノオーシナリオのマルゼンスキー並の超ステータスで立ちはだかる。しかし、直前のイベントでロブロイにコンディション「英雄の光輝」が付与され、これでなんと有馬記念の間だけ全ステータスが+300されるためそのまま育成完了させてほしい、相対的には1着目標でも問題ない強さになるというある種のイベント戦闘めいた仕様になっている。
また、登場人物としては登場しないが、史実のロブロイの評価を語るうえで避けられないと共にウマ娘ロブロイのキーワードとバッティングする「英雄」や、1世代下に居た「大王」の存在も史実に準じた形で描写され、物語の一要素になっている。
サポートカード
デフォルトの所持スキルは先行・差し傾向で、コース取りに関わるスキルが豊富。
ハズレらしいハズレはなく、半数は汎用、残りが使用頻度の高い先行・差しで埋まっているというラインナップは地味とは到底言えない名馬の貫禄である。
SR[おすすめ本、あります!]は、サービス開始以来2種のみと数が少なかったスタミナタイプ。レース系ボーナスがないがトレーニング性能はなかなかで、何より充実の所持スキルを活かせるヒントLvアップ最大+3が目立つ。ライバルとなるスタミナSRたちも所持スキルは優秀な方だが、マヤノトップガンはヒントボーナスなし、マンハッタンカフェは汎用性では劣るのでここはロブロイに優位があると言えるか。
イベントも共通イベントで体力+10や「中距離直線○」ヒント、SR連続イベントで体力+20選択肢があったりと良質。弱点はレースボーナスが無い点。
2021年10月のハロウィンイベントで新衣装のライスシャワー・スーパークリークと共にSSR[魔力授かりし英雄]が追加。
スピードタイプで、固有とサポート効果でトレーニング効果が高くなり友情トレーニングが発動しやすい。差し用の回復系レアスキル「潜伏体勢」を習得でき、サポート効果は可もなく不可もないがスピードタイプで回復スキルが取れるのが大きな利点で、専らそのために採用される。
イベント「シーク・ソルヴ・サマーウォーク!」の報酬としてスタミナSSR[『ロードナイトと夢の石』]が追加。
サポート効果は配布としては穴がなくそこそこだが、レアスキルが現状使い道の限りなく少ない「千里眼」なのが厳しい。
関連ウマ娘
- ライスシャワー
- ルームメイト。ライスは絵本好きで性格的にも気の合う相手で先輩。当初モチーフ馬の関連性は特になく、ライスはともかくロブロイは他馬と関わりを持ちづらい立場だったのでキャラ優先で宛てがっていたと思われたが、その後お互いの周囲の追加により長距離におけるレコードホルダー、皐月賞未出走で日本ダービー2着、そのクラシック三冠において皐月賞・日本ダービーの二冠馬(ミホノブルボンとネオユニヴァース)が居る、勝利は無かったがライバル多数の古馬戦線でGⅠを好走するいぶし銀など共通点が多くなっている。ライスの育成及びサポートカードイベントでハルウララと共に共演。上記のSSRサポート[魔力授かりし英雄]でも共演、ロブロイの育成シナリオでも同室故に何かと相談に乗ってもらっている。
- ハルウララ
- モチーフ馬は共通項が全くない上に正反対の境遇ながら、仲の良い先輩。ライスの育成及びサポートカードイベントで共演。ウララにとっては知識豊富で絵本好きでもあるロブロイは憧れで、ロブロイにとっても落ち込んだ時に純粋に励ましてくれるウララは大切な存在として接している。
- テイエムオペラオー
- モチーフ馬は同じ偉業を成した先輩。物語を愛するという点で通じ合えるところがあり、『うまよん』ではそこをきっかけに絡んでいる。アプリ版でもオペラオーから最大級の賛辞を受けている(というかオペラオーは基本、自分を称えて→どんな相手も美点を褒めることしかしない位ポジティブ思考なのであるが)
- ビワハヤヒデ
- ウマ娘としては共に珍しいメガネっ娘(アプリ開始当初はイクノディクタスの3人のみ。後にトライセンド・ドリームジャーニーが常用。プライベートや別勝負服で身に付けているのは数人いる)で先輩。共に図書館をよく使い互いのジャンル違いにも理解がある為仲が良く、レース・生活問わず眼鏡が曇る事に難儀しているのがホーム画面のエントランスで語られている。モチーフ馬は共にステイヤーとして名を馳せた優駿だが、遅咲きのゼンノロブロイ(といっても日本ダービーでネオユニヴァースとの接戦を見せているが)に対してクラシックにてライバルとの名勝負で沸かせたビワハヤヒデは対照的と言える。
- スイープトウショウ
- 魔女好きのスイープに魔女知識を伝授したり、図書委員の立場から魔女関連の書籍を探すのを手伝うなど、アニメ及び双方のサポートストーリー等何かと共演している場面は多い。スイープの育成シナリオでは彼女から発破を掛けられて史実通りの秋シニア三冠を達成して対戦、モチーフ馬は1歳下で複数回対戦経験がある。
- エイシンフラッシュ
- 上記ゲームの扱いにある通り、史実の産駒であるペルーサ役という形で彼女のシナリオにてレース実装を果たした。後に近い世代であるトーセンジョーダンのシナリオでもライバルとして登場している。
- アグネスデジタル
- デジタル育成シナリオで係わりあり。当初デジタルからジャンルは違えど、読書や創作で趣味に対する一途さにシンパシーを感じており、文学少女としてのロブロイが好みドストライクで遠くから見守っていたが、トレーナーの行動が切っ掛けで親しくなる。
デジタルのオタク趣味で培った整理スキルが遺憾なく発揮されて以降ロブロイからも敬意を抱いている。モチーフ馬では共に天皇賞(秋)を制した繋がりで、2003年有馬記念で対戦している(シンボリクリスエスの引退レースだが、デジタルの引退レースでもある)。そのため、ロブロイシナリオのクラシック有馬にはさりげなく出走している。 - シンボリクリスエス
- 尊敬する先輩であり、基本言葉少なく、口を開いても事務的なクリスエスもロブロイには例外で、デビュー前から併走に付き合ったりそれとなく声を掛けている。史実では藤沢和雄厩舎の1つ先輩で、実績にも共通点があるため比較されがちな2頭。
ウマ娘ではこれまた対照的なキャラクターになっている2人だが、ロブロイシナリオでの仲の良さ、スイープのシナリオでロブロイが電話越しに交流、「うまゆる」での立ち位置等至って良好な関係。 - メジロドーベル
- 同級生で共に文学に造詣があり引っ込み思案故か、各シナリオのイベントでも共に行動する事が多くロブロイはドーベルの凛とした姿に物語の主人公像として憧れを、ドーベルは思慮深く決断力があるロブロイを尊敬している。
史実でも互いの産駒レーヌドブリエがおり、2人の孫にあたるアヴニールドブリエが2024年現在中央で現役として走っている。 - ネオユニヴァース
- 2023年に入って登場が発表された、同じ父を持つ待望の同期にしてクラシックにおける最大のライバル。ロブロイの育成シナリオには間に合わなかったが、ネオユニヴァースの育成シナリオではロブロイがクラシックに乗り込む日本ダービー以降から終盤まで終始出ずっぱり。ユニヴァースが史実を超え、ロブロイの未来を願って秋シニア三冠をより盛り上がるものにするべく立ち塞がる。そして目標の関係で三冠はどうしても阻止されてしまう。
個人としてはユニヴァースが図書室を好むことから接点ができ、博識なロブロイでも難解な言葉遣い故に距離感を測るのに苦労しているが、「ユニさん」と呼び、控えめなロブロイにしては積極的にアプローチしている。
2024年秋イベント『あなたと仰ぐハーベストムーン』で共演。同時に勝負服が実装されて互いの意匠が勝負服にイニシャライズされている
(ロブロイの『Inlaid Stories』にはユニヴァースの象徴である「蒼と星」ユニヴァースの『Like ZEER』にはロブロイの「ロイヤルグリーンとキルト」二人共通デザインのブローチもそれぞれのイメージカラーが採用) - タイキシャトル
- ネオユニヴァース・シンボリクリスエスと共に『あなたと仰ぐハーベストムーン』に出演。近走で伸び悩むロブロイを激励するため、トレーニングも手伝う事に。ロブロイ・クリスエスと共に史実における藤沢和雄氏の管理馬であり、岡部幸雄氏騎乗繫がり(岡部騎手がゼンノロブロイに騎乗したのは4歳の京都大賞典のみであるが)
史実
その秋、黒鹿毛の大器は、王道を制覇した。
天皇賞・秋、ジャパンカップ、有馬記念。
すべてに参戦することさえも困難で過酷な、古馬中長距離3冠。
王道の覇者、ゼンノロブロイ。その揺らぎ無き強さは、伝説の英雄の名にふさわしい。
2004年に史上2頭目の天皇賞(秋)・ジャパンカップ・有馬記念の秋古馬三冠を達成し有馬記念のレースレコードを現在まで保持している平成最速のグランプリホース。
2000年生まれの牡馬。父サンデーサイレンス、母ローミンレイチェル、母父マイニング。
パッと見区切りがわかりにくい名前だが「ゼンノ(冠名)・ロブロイ」。ロブロイという名前は、小説の題材にもなったスコットランドの義賊ロブ(ロバート)・ロイ・マクレガーに由来している。
馬主は日本を代表する地図情報会社ゼンリンの社長であり、「ゼンノ」の冠名はそこから。
当初から素質を評価されていたが体質が弱いところがあり、3歳の2月に少し遅めのデビューを飾る。4戦目にはG2青葉賞を制して東京優駿(日本ダービー)に臨むが、ネオユニヴァースの2着に敗れる。秋はG2神戸新聞杯を制して菊花賞に進むも4着、有馬記念では同じ藤沢和雄厩舎の先輩シンボリクリスエスの圧勝の影で3着とG1では勝ちきれなかった。
2004年の4歳時も日経賞、天皇賞(春)、京都大賞典を2着と善戦が続いたが、フランスから参戦したオリビエ・ペリエとのコンビで天皇賞(秋)を勝ったのを皮切りにジャパンカップ、有馬記念とG1を3連勝。特に有馬記念で叩き出した2分29秒5は当時の世界レコードであり、現在も破られていないレースレコードである(同時にオリビエ・ペリエ騎手並びに藤沢和雄調教師は共に、2002年・2003年のシンボリクリスエスに続く有馬記念3連覇を達成)。これによりテイエムオペラオー以来2頭目の秋古馬三冠を達成し、サンデーサイレンス産駒として意外にも初となる年度代表馬に表彰された。
5歳時は宝塚記念で3着に入った後にイギリス遠征に向かい、GⅠインターナショナルステークスに武豊騎乗で出走。接戦を抜け出しゴールする寸前、イタリアのエレクトロキューショニストに差されて2着に敗れる(しかも勝利馬の鞍上は、あの凱旋門賞でモンジューに騎乗していたマイケル・キネーンであり、勝ち方も全く同じ)。帰国後も天皇賞(秋)を2着、ジャパンカップを3着と、かつての善戦時代に戻ってしまう。そして有馬記念でこの年の三冠馬ディープインパクトとの対決に挑むが、ハーツクライの大金星の陰でスタート直後に足を捻って生涯で唯一馬券外となる8着に敗れ、このレースを最後に引退。
種牡馬として初年度産駒でサンテミリオンがオークス、マグフィニカがジャパンダートダービーと2頭のG1格を輩出したが(※ウマ娘でレース実装のきっかけになったペルーサはGⅡ青葉賞を勝利)、以降は重賞クラスに留まった。細々と種牡馬をやりつつ余生を過ごしていたが、2022年9月2日、老衰による心臓機能低下で静かにこの世を去った。享年22歳。2022年現在も少数ながら産駒がデビューしており、母父としてもダートを中心に走っている。
戦績や記録だけを見れば歴史的名馬として扱われるに足るはずなのだが、現役時代は競馬人気が斜陽に差し掛かっていた真っ最中で、しかも全盛期の直後にあのディープインパクトが登場して冬の時代を終わらせることになる。時代のスターとなるには全盛期が「4歳時の秋だけ」と短く遅く、その全盛期に破った相手も強敵が少ない……といった要因が合わさり、その評価は概ね「(実績のわりに)地味」の一言に尽きてしまっている。競馬ファンから「地味だったからってウマ娘でも地味子なのか……」なんて言われたりも。
なお、競走馬のロブロイもとても落ち着いた性格で知られていたが、現役時代は厩舎のボス馬であったと言われ、大人しいというよりは「威厳がある」馬と言った方が正しい。
秋古馬三冠はロブロイ以降の達成者はおらず未だに2頭限りの偉業なのだが、そもそも近年では厳しいスケジュールを避ける傾向のために秋天・JC・有馬の全てに出走し挑戦権を得ること自体が少なくなってしまった(近年の挑戦例は、5歳時のキタサンブラックが1着・3着・1着と惜しいところまでいったのが有名)。つまりは「それだけ凄い」ということにはなるのだが、そのせいで記録としてクローズアップされにくくなってもいるのであった。とはいえ後年になるにつれて再評価が進んできているのも確かで、昨今の若年層の競馬人口増加と相まって人気は増えつつある。
余談だが、ヒーロー列伝の写真は鞍上のペリエ騎手が満面の笑顔でピースしているので必見。
詳細は当該記事へ→ゼンノロブロイ
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