永禄七年(1564年)
室町幕府第十三代将軍、足利義輝の時代
その戦国の世に人が在り闇が在り
人を喰う闇があり
闇を狩る人があり
その狭間に、手を取り合う人と闇があった
概要
戦国妖狐とは、『月刊コミックブレイド』にて2008年2月号より連載されていた妖怪ファンタジー少年バトル漫画である。作者は水上悟志。途中から連載の場をWeb上に移し、Webコミックブレイド(後、MAGCOMI)にて掲載され、2016年5月20日掲載分を以て完結した。
単行本は全17巻、後にアニメ放映に合わせ新装版全6巻が刊行されている。物語は二部構成となっており、全17巻のうち6巻までが第一部、7巻以降が第二部となっている。
本作は過去作「散人左道」や「百鬼町シリーズ」と世界観を共有しており、関連を窺わせる単語や人物が登場するので、そちらも読んでおくとより楽しめること請け合い。
いずれの作品も人ならざるもの(神や妖怪といったような存在)が登場し、それらの存在を「散人左道」では「隣人・障り」、「百鬼町シリーズ」では「おとなりさん」と表していたが、今作では主に「闇(かたわら)」と呼称されている。一方で人間に危害を加える闇は「障怪(さわり)」と呼称され、断怪衆から退治の対象とされている。
同作者の代表作である「惑星のさみだれ」と比べると知名度がやや低い。が、作者特有の熱いシナリオと濃い人間模様、そしてスピーディな展開は健在であり、氏のファンもそうでない者にも一読して欲しい傑作である。
また、画力や戦闘描写も巻を追う毎に進化していっており、特に第二部以降は迫力・スケールともに驚異の仕上がりとなっている。「惑星のさみだれ」しか知らない読者が見ればいい意味で驚かされるだろう。
2023年8月にはアニメ化が発表され、2024年1月より二部構成・全3クールで放映される(詳細は後述)。
登場人物
第一部
- 山戸迅火(人間→千本妖狐)
「さようなら……黄泉路にお気をつけて」
第一部主人公。人の身でありながら闇(かたわら)になりたがっている者。姉であるたまの血を受けることにより精霊転化し、妖狐の力を扱う事ができる。
極度の人間嫌いであり当初は誰に対しても辛辣な態度をとっていたが、様々な人間・闇との交流を経て徐々に心を開いていく。一方で戦闘を重ねる度に妖狐としての力に目覚めていき、自身が望んでいた闇に近い存在となっていった。
- たま(妖狐)
「ふふん、千年後に良き世になっておれば大成功だろうが」
第一部ヒロイン。迅火の義姉であり200年を生きる妖狐の少女。ちなみにオレっ娘。かわいい。
義弟とは違い人間が大好きな博愛主義者。故に人と人、そして人と闇が争う乱世を憂いており、迅火と共に世直しの旅をしている。
- 兵頭真介(人間)
「お前は…バケモノなんかじゃねえ…」
武者修行の旅をしている武芸者。…と言っているが実際は農民の出であり肝心の剣術はからっきし。
当初はヘタレでビビリの青二才であったが、過酷な旅路を経て心身共に驚異的な成長を遂げる。また、人でありながら闇とも分け隔てなく接する心を持つようになり、これは迅火を始め様々な者に影響を与えていく事となる。全編を通して主要人物と深く関わることになるため、ある意味では迅火・千夜に並ぶもう一人の主人公のような存在ともいえる。
- 灼岩(霊力改造人間)
「生きてるんす。生きてれば、きっと良いことあるっす!」
人間「芍薬」と闇「火岩」が融合した混合生物、人と闇の狭間の者。
改造実験後に暴走し人間を襲うようになるが、迅火たちの手によって救出される。その後は一行に加わり、火岩と芍薬、二人の力で皆を支えた。
第二部
- 千夜(霊力改造人間)
「この力のために起きる戦いなのに、戦わないためにこの力が要る…!!」
第二部主人公。その身に数多の闇を宿した、千魔混沌の魔神の卵。第一部では感情を抑圧していたが、二部からは色々あって普通の少年の様な性格となった。
その力と自身の在り様に苦悩するが、先達の導きや宿敵との戦いを通して人間的に成長し、世界と関わっていくようになる。(おかげでより少年漫画らしくなったとは作者の談)
- 月湖(人間)
「あたしが千夜も守るから…!!」
第二部ヒロイン。千夜の幼なじみ。おどおどとした態度を見せるが意志は強く、千夜と真介の旅に無理やり同行する。
なんら霊的な素質を持たない普通の少女だが剣術の素養はずば抜けており、大人や真介相手にも打ち勝つほど。とはいえ身体はあくまで人間の女のそれなので、強力な闇相手では打つ手が無く、そのため千夜とは対照的に「力が無い」事を思い悩むようになる。
- なう(水神)
「なうなう」
小動物の様な姿の闇。マスコット兼乗り物。本名不明で「まー過去なんかどうでもいいなう」とのこと。語尾にどこかのSNSで多用されているスラングと同じ言葉を付ける癖があり、それがそのまま通称となった。なう。
実はとある地方における水神であるらしく、水を大量に摂取する事によりその力を発揮する事ができる。その際の姿はスマートでわりとカッコいい。なう。
- ムド(龍)
「安心したぜ!!喰いでがありそうでよォ!!」
黒い龍の少年。霊力改造人間ではない純粋な龍種であり、天性の肉体と霊力を宿す。その力の大きさは他の闇と一線を画し、千夜の中にいる闇たちがビビって戦えなくなるほど。
天地万物最強無敵の龍神王になる事を目指しており、千夜の力を喰らうため幾度となく戦いを仕掛けてくる。
関連動画
関連静画
テレビアニメ
「世直し姉弟編」「千魔混沌編」の二部構成で全3クール。
2024年1月より3月まで第1部「世直し姉弟編」がTOKYO MX他にて放送された。全13話。
2024年7月より第2部「千魔混沌編」が連続2クールで放送開始。
スタッフ
- 原作:水上悟志(マッグガーデン刊)
- 監督:相澤伽月
- シリーズ構成・脚本:花田十輝
- キャラクターデザイン:奥田陽介
- サブキャラクターデザイン:小林真平
- 総作画監督:奥田陽介、小林真平、八重樫洋平
- プロップデザイン:張紹偉、林可爲、児玉裕之
- 闇デザイン:張紹偉
- 美術監督:宮本実生(スタジオ・ルーファス)
- 色彩設計:佐藤美由紀(Wish)
- 撮影監督:堀野大輔(スタジオトゥインクル)
- 3DCGディレクター:秋元央(T2studio)
- 編集:黒澤雅之
- 音響監督:飯田里樹
- 音楽:EVAN CALL
- 制作:WHITE FOX
キャスト
放送・配信情報
放送局 | 放送日 | 曜日 | 時間 | 備考 |
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TOKYO MX | 2024年1月10日 | 水曜 | 24時00分~ | |
メ~テレ | 25時29分~ | |||
ABCテレビ | 26時14分~ | |||
BS朝日 | 2024年1月12日 | 金曜 | 23時30分~ |
2024年1月10日(水)24時00分~ | ||||
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dアニメストア (ニコニコ支店) (for Prime) |
Netflix | U-NEXT | アニメ放題 | - |
2024年1月12日(金)24時00分~ | ||||
ニコニコ動画 | J:COM STREAM | TELASA | milplus | auスマートパスプレミアム |
Prime Video | Lemino | ABEMA | バンダイチャンネル | Hulu |
DMM TV | FOD | - | ||
2024年1月14日(日)12時00分~ | ||||
TVer |
主題歌
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 動画 | dアニメ |
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01 | 我ら乱世を憂う者 | 花田十輝 | 相澤伽月 | 山田加余仲 | 三島千枝/二林翔太 | ||
02 | 灼岩 | 吉井勝也 | 新村香奈/耳浦朋彰 | ||||
03 | 永禄七年 | 加藤洋人 | 加藤洋人/丸山修二 八重樫洋平 |
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04 | 迅火と人間 | 佐藤雄三 | 福井陽介 | 大髙雄太 | |||
05 | 氷岩 | そえたかずひろ | 曽根利幸 | 八重樫洋平/大髙雄太 兵渡勝 |
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06 | ふこう | 坂田純一 | 小島隆史 | 耳浦朋彰/木宮亮介 大髙太/齊藤貴巳一 FanDongdong SunJiwei Wei Xu Long |
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07 | 火岩と芍薬 | 佐藤雄三 | 山田加余仲 | 岩田景子/五月麻帆 | |||
08 | 魔剣士 | 坂田純一 | 土屋浩幸 | 大髙雄太/耳浦朋彰 | |||
09 | 山の神(前) | 路比塚環竿 | 木宮亮介/兵渡勝 馮含露/二林翔太 |
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10 | 山の神(後) | 頂真司 | 三川智美 | 大髙雄太/岩田景子 齋藤貴巳一 FanDongdong SunJiwei Wei Xu Long |
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11 | 断怪衆最強の男 | 毛利和昭 | 上田芳裕 | 中田正彦/佐々木舞 | |||
12 | 迅火と道錬と 竹吉とバリー |
坂田純一 | 嵯峨敏 | 耳浦朋彰/大髙雄太 兵渡勝/岩田景子 齋藤貴巳一/三浦瞳 ProMEtheus |
|||
13 | 神獣 | 相澤伽月 頂真司 |
山田加余仲 | 真中結/大髙雄太 岩田景子/三浦瞳 |
関連チャンネル
関連生放送
関連リンク
関連項目
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- 0pt